設立の背景
2026年を迎え、生成AIやデジタルツールの普及が進む一方で、営業現場では提案資料作成、会議、議事録作成、CRM入力といった「非営業活動」に多くの時間が費やされ、「顧客との対話」や「未来の共創」に十分な時間を割けない状況が見られます。
多くの企業がAI導入を試みているものの、セキュリティへの懸念、現場のITリテラシー、ROI(投資収益率)の不透明さといった課題に直面し、効果が部分的な効率化に留まることが少なくありません。特に大企業では、意思決定プロセスの制約により変革のスピードが鈍化するケースもあります。
このような状況に対し、AICX協会は、AIを「協働者(AIエージェント)」と捉え、人が「文脈理解」と「信頼構築」に集中できる新たな分業モデルへの転換が不可欠であると考えています。
本委員会の目的
本委員会は、「AIエージェントとの協働により、日本のBtoB営業を『労働集約型』から『知的共創職』へ再定義する」ことをミッションとしています。この実現のため、以下の3つの柱で実装知の蓄積と標準化を進めていくとのことです。
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「顧客インサイト」起点の営業スタイルの標準化
AIの分析力を活用し、顧客の経営課題や市場トレンドに基づいた提言を行う「インサイト営業・共創型営業」の型を開発し、標準化します。これにより、営業の価値を「物売り」から「事業成長のパートナー」へと高めることを目指します。 -
「グローバル水準」の生産性モデルの実証
提案準備、議事録作成、CRM入力といった非営業活動をAIエージェントによって最小限に抑え、フィールドセールスが「顧客との対話」や「未来の共創」に時間を集中できる環境を構築します。また、トップセールスの思考や行動を形式知化し、組織全体に展開していく計画です。 -
「EX(従業員体験)」向上による人材課題の解決
「EXの向上がCX(顧客体験)を高める」という考え方に基づき、AI活用で無駄な業務を削減し、従業員が学習と挑戦に時間を費やせるようにします。営業職を次世代が憧れる創造的でやりがいのある職業へと進化させ、人材の定着と採用の両面から課題解決に貢献するとのことです。
活動設計:実証と実装のサイクル
本委員会は、単なる勉強会ではなく、参加企業が知恵を出し合い、仮説検証を繰り返す実証実験の場として設計されています。具体的な活動は以下の4つのサイクルで進められます。
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活動1:知の探索
現場の事実と成功の種を収集し、ボトルネックを可視化します。 -
活動2:知の深化
月次の委員会ミーティングなどで「AIと人が協働する標準モデル」を議論し、設計します。 -
活動3:発信と共創
白書やフォーラム、カンファレンスなどを通じて社会実装を促進します。 -
活動4:実装と定着
サンドボックス型の実証、ナレッジ蓄積、フィードバックループを通じて継続的な改善を行います。
対象参加企業・組織
本委員会は、BtoB営業の変革に真剣に取り組む企業・組織が、それぞれの役割に応じて参画できる構成で運営されます。
【対象参加企業・組織の例】
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業界をリードする大企業
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BtoB営業・AI技術・コンサルティング・リサーチに強みを持つ企業
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研究機関・学術組織
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営業課題を抱える事業会社
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課題解決策を有するソリューションベンダー
委員会構成
委員長には、株式会社Nexal 代表取締役の上島千鶴氏が就任しました。委員には、株式会社村田製作所、PwCコンサルティング合同会社、株式会社セールスフォース・ジャパンの各氏が名を連ねています。事務局はPwCコンサルティング合同会社と一般社団法人AICX協会が共同で務めます。
委員長 上島 千鶴 氏 プロフィール

株式会社Nexal 代表取締役。1996年に理工学部経営工学科を卒業後、大手BPOで人事、営業、事業企画・開発を経験。その後、複数の外資系IT企業で営業として高成績を収めました。2004年に独立し、2007年にコンサルティング会社Nexalを法人化。約20年間、事業戦略からマーケティング領域の再定義を通じて事業成長を実現するBtoBマーケティング×営業変革コンサルティングに携わっています。データ分析やデジタル活用を強みとし、「論より成果」「一過性ではなく再現性」を重視した戦略策定と実践コーチとして、産業財・生産財のグローバル製造業やIT企業を中心に、280以上の事業体に成果を出す仕組みを提供しています。
その他、日経クロストレンド BtoBマーケティング大賞などの審査員や、B2B領域におけるADVISORY BOARDも務めています。主な著書に「営業を変えるマーケティング組織のつくりかた~アナログ営業からデジタルマーケティングへ変革する(技術評論社)」などがあります。
委員長コメント
上島千鶴氏は、BtoB営業現場に根強く残る「暗黙知」や「先輩ガチャ」、非効率な業務といった課題に触れ、AIを「協働者」と位置づけ、営業職を「知的共創職」へと再定義することを目指すと述べています。AIを前提とした営業リソースの再設計が転換期にきているとし、業界横断で知見を結集し、人が信頼構築と文脈理解に集中できる「次世代営業モデル」の標準化を推進したいとコメントしています。
共同事務局 PwCコンサルティング合同会社 コメント
PwCコンサルティング合同会社は、産学官・産業を横断する本委員会の設立に賛同しており、企業個社の枠を超えてBtoBビジネスの構造を見直す契機となると考えているとのことです。議論や実証から得られる知見を整理・共有し、企業がより高度な営業アプローチを検討できる環境づくりに貢献するとともに、変革を支えるハブとしての役割を果たすことを期待しています。
AICX協会 代表理事 小栗 伸 コメント
AICX協会の小栗伸代表理事は、AIが営業の仕事を淘汰するのではなく、「人の知を拡張し、価値を共創する仕事」へと進化させると述べています。AIが情報を整理し仮説を提示し、人が意味を見出し信頼を築くという共創モデルを確立し、営業を創造的な仕事へ取り戻すことが本委員会の使命であるとコメントしています。
一般社団法人AICX協会について

一般社団法人AICX協会(AI Customer Experience Consortium)は、「分断を超え、体験を変える」をミッションに掲げ、AIエージェントの社会実装を推進するために2025年1月に設立されました。AIエージェントを活用した顧客接点のあり方を進化させ、より良い顧客体験を実現するため、以下の活動を行っています。
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生成AI技術の実践的な応用を促進する教育・研修プログラムの提供
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顧客データ統合プラットフォームの構築
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普及支援、業界標準の策定を通じた健全な市場形成
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企業間連携の推進やカンファレンス・セミナーの開催
これらの取り組みを通じて、組織や業界の垣根を超えた統合的なアプローチを実現し、顧客一人ひとりに価値ある一貫性のある体験を提供できる社会の実現を目指しているとのことです。
詳細については、AICX協会のウェブサイトをご覧ください。
https://aicx.jp
参加方法について
本委員会への参加を希望する場合、または詳細を知りたい場合は、以下のE-mailアドレスまで問い合わせてください。
E-mail : support@aicx.jp





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