「Value Elicitation法」で学生の価値観を定量化
本調査では、早稲田大学政治経済学術院の山本 鉄平教授と日野 愛郎教授が開発した「Value Elicitation法」(VE法)が活用されました。VE法は、従来のアンケート調査では得られにくい学生の就職価値観に関する豊富な定量的知見を提供する、コンジョイント分析を独自に発展させた手法です。
調査結果の主なポイント
企業要素の改善効果を平均年収に換算
企業のプロフィールや採用条件の各要素が改善した場合の効果を平均年収に換算したところ、初期配属地が「東京でも出身地でもない大都市」から「自身の出身地」に変わることは、平均年収が約60万円上がるのと同等の魅力度向上の効果があることが示されました。この結果は、勤務地を限定した「エリア別採用」の募集要項の策定などに役立つと考えられます。

CSRへの取り組みは減点にはなるが加点にはならない
企業のCSRへの取り組みが不十分な場合は、学生からの企業に対する評価の減点になる一方、積極的な取り組みは加点にはならないことが分かりました。具体的には、CSRの取り組みが「まあ積極的に取り組んでいる」から「ほとんど取り組んでいない」に変化することは、平均年収が約70万円下がることと同等の効果があることが示されています。

文系と理系で異なる就職価値観
文系学生に比べ、理系学生はジョブ型雇用の価値観を有する傾向にあることが明らかになりました。理系学生は相対的に「専攻の活用」を重視しており、離職率が高く知名度がなくとも、仕事の内容で職を選ぶ価値観がある傾向が見られました。このように、回答者のグループ別に重視度スコアを比較することで、特定のグループが持つ価値観の特徴を捉えることが可能です。

VE法で得られるデータ
本調査では、仮想企業の選択データ、回答者の属性データ(学部/学年/文理など)、結果の重視度データが収集されています。これらのデータを組み合わせることで、調査結果に示された企業の各要素の定量的な評価や、文系/理系など回答者の属性ごとの傾向の差の分析が可能となります。また、実際の企業プロフィールや採用条件のデータと組み合わせることで、回答者それぞれの重視度にマッチした企業を推薦することも可能となるでしょう。

今後の展望
VETA社は今後もValue Elicitation法の人材・採用領域に向けた応用と知見の創出に取り組んでいくとしています。学生や転職希望者の就職/転職価値観に関するデータを活用し、人材採用におけるマッチング精度の向上や、企業の採用担当者、大学キャリアセンター、人材サービス企業の業務効率化・高付加価値化の支援などを提供する予定です。加えて、政治学分野でのボートマッチや公共部門におけるEvidence-based Policy Making(EBPM)、不動産領域などでのVE法の適用を進め、価値観の不一致にまつわる摩擦が解消される社会を目指していくとのことです。

調査結果の詳細資料
本調査結果の詳細については、ホワイトペーパー「学生の就職価値観の実態調査」として公開されており、VE法のメリットなども解説されています。以下のURLより資料をダウンロードできます。
VETA株式会社について
VETA株式会社は、社会科学の先端知見を活かし、価値観の不一致にまつわる摩擦が解消される社会の実現に挑戦しています。2025年4月30日に設立され、本社は東京都新宿区にあります。詳細は以下のURLをご覧ください。





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