開催概要
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名称: WORK!DIVERSITYプロジェクトin岐阜 2025年度 成果報告会
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テーマ: ダイバーシティ雇用と人材戦略の新たな可能性
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日時: 2026年2月12日(木)13:30~15:30
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会場: みんなの森 ぎふメディアコスモス「みんなのホール」(岐阜県岐阜市司町40-5)
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主催: 一般社団法人サステイナブル・サポート
開催背景: 「人材不足」と「働きたいのに働けない」をつなぐ
地方都市では労働人口の減少が深刻化しており、一方でひきこもり、がんサバイバー、難病者など、さまざまな事情で「働きづらさ」を抱え、能力を発揮できていない人々が存在します。WORK!DIVERSITYプロジェクトin岐阜は、既存制度の狭間にある多様な就労困難者に対し、地域の就労支援拠点と連携しながら「訓練・支援・就職・定着までを伴走」し、地域の新たな担い手を創出する仕組みづくりに取り組んでいます。
2025年度 活動報告

一般社団法人サステイナブル・サポートの代表理事である後藤千絵氏より、岐阜市における支援スキーム、連携体制、実績、課題が報告されました。就労までのプロセスに加え、相談段階での課題、本人の状態把握(アセスメント)の重要性、企業とのマッチングにおける調整ポイントなど、現場で直面する課題が共有されました。次年度に向けた支援強化方針として、相談導線の整備、企業連携の拡充、定着支援の質向上にも言及しています。
実績として、問い合わせ累計300件、利用決定70名、一般就労24名(2026年1月30日時点)が報告されました。一般就労した24名全員が中小企業に就職しており、深刻な人材不足に悩む企業にとって新たな労働力となる可能性が示されました。
また、労働人口が減少する中で、ひきこもりやがんサバイバーなど「制度の狭間」で働きづらさを抱える人々は約600万人存在し、そのうち270万人が就労に至っていないと推計されています。この層へのアプローチが、地域社会の持続可能性において重要であることが報告されています。
さらに、現場で直面する「受け入れの壁」を越えるため、県内企業と「雇用政策検討会」が実施され、企業が安心して雇用に踏み出せるよう、「ダイバーシティセンターの設置」「企業への支援制度・優遇措置の拡充」など、現実的かつ具体的な4つの政策提言がまとめられた経緯が語られました。
パネルディスカッション「企業の立場から見えた課題と必要な施策」

第2部では、武蔵野大学教授/岐阜市活性化研究所所長の秋元祥治氏をファシリテーターに迎え、サンメッセ株式会社 代表取締役社長の田中信康氏、株式会社リーピー 代表取締役の川口聡氏、カンダまちおこし株式会社 代表取締役の田代達生氏、そして一般社団法人サステイナブル・サポート 代表理事の後藤千絵氏がパネリストとして登壇し、パネルディスカッションが行われました。
採用難、定着、現場のミスマッチといった企業課題を起点に、「受け入れ現場の不安」「社内の理解」「業務設計」「伴走支援の必要性」「短時間・段階的雇用の重要性」など、現実的な論点が共有されました。
田代氏からは、多くの企業はワークダイバーシティに反対していないものの、実際には「手は添えているけど力は入れていない」状態にあると指摘がありました。人事総務の手間や心理的ハードルから、人手不足であっても自ら進んで取り組む企業はまだ少ないという実態が共有されています。
社会変革には「制度」「意識」「技術」の3要素が必要とされますが、この領域は技術での解決が難しいため、「意識と制度」の変革が鍵となるとの意見で一致しました。企業の意識だけを変えることは難しく、行政による「制度」の後押しや仕組み化こそが、企業が一歩踏み出すきっかけになると考えられています。
就労困難者の雇用を企業の「公益」活動として捉え直し、その社会的効果を「インパクト評価」などで可視化する重要性も語られました。これが企業のブランディングや若年層の採用力強化につながるという、経済合理性と社会貢献を両立させる新たな可能性が議論されています。
さらに、受け入れの成否を分ける要素として、現場責任者の負担軽減、コミュニケーション設計、任せ方・評価、困りごと発生時の相談先の明確化などが挙げられ、企業が安心して一歩を踏み出すための条件が整理されました。地域の企業が共通して抱える課題である「最初の一歩のハードル」をどう下げるかが議論の焦点となり、官民連携で“受け入れが続く仕組み”をつくる必要性が確認されています。
提言書提出セレモニー

パネルディスカッションの幕間には、県内企業17社が議論を重ねてまとめた政策提言書(2025年7月提出)を振り返り、行政との連携を再確認するセレモニーが行われました。提言書は「企業の声」を起点に構成されており、実装可能性(現場で動くか)を重視している点が特徴です。提出セレモニーを通じて、提言を“提出して終わり”にせず、施策・制度設計へ接続する意思が示されています。
岐阜市長に聞く「岐阜市で拓くワークダイバーシティの構想について」

第3部では、特別ゲストとして柴橋正直 岐阜市長が登壇し、公益財団法人日本財団 国内事業開発チーム アドバイザーの木村弥生氏が進行を務めました。
「社会課題の解決には行政だけでなく、民間企業・地域のリソースが不可欠」「企業がアクションを起こすための動機づけや仕組みが重要」といった観点から、官民連携で取り組みを前に進める方向性が語られました。岐阜市としての今後の展望や、地域の企業・支援機関との連携をさらに深めていく意義が共有され、“雇用を通じた地域の持続可能性”をどう高めるかが会場全体のテーマとして改めて浮き彫りになっています。
柴橋市長からは、岐阜市単独のモデル事業から近隣自治体も巻き込んだ「広域連携」へと発展させる構想が発表されました。また、当事者や企業が心理的ハードルなく自然に集い、相談やマッチングができる居場所として「マネジメントセンター」を駅前施設に設置する計画が語られています。
フルタイムでの就労が難しい方に向けては、週1日・1時間から始められる「超短時間雇用」を組み合わせる岐阜市独自の支援が紹介されました。小さなステップから働く喜びや社会参画の機会を提供し、多様なニーズに応えるセーフティネットの重要性が強調されています。
日本財団の木村氏からは、超党派議連による「議員立法(国の制度化)」に向けた動きが報告されました。支えられる側(タックスイーター)が支える側(タックスペイヤー)に回ることで、社会全体が豊かになるという確信のもと、地方の実践から国を動かす力強い決意が共有されています。
今後の展開
一般社団法人サステイナブル・サポートは、岐阜市内の企業・行政・支援機関と連携し、就労困難者が地域で能力を発揮できる雇用の選択肢をさらに広げていくとしています。次年度以降は、相談から就労までの導線整備と、企業側の不安を減らす受け入れ設計・定着支援を重点に推進する予定です。具体的には、早期アセスメントを強化し、本人の希望と適性に沿った段階的な就労機会につなげるとともに、業務の切り出し、現場体制づくり、相談窓口の明確化など、採用・定着までを一体で伴走します。あわせて提言内容の実装に向け、企業が継続参画しやすい地域の仕組みづくりを進めていくとのことです。
一般社団法人サステイナブル・サポートについて

一般社団法人サステイナブル・サポートは、「誰もが自分らしく生きることのできる社会」を目指し、就労支援を中心に、一人ひとりの「自分らしさ」に寄り添い、「働く」を通じて自己理解や可能性を広げ、未来への一歩を踏み出すためのサポートを行っています。誰ひとり取り残さない支援と予防的アプローチを大切にし、差別や偏見のない地域社会づくり、そして多様性(ダイバーシティ)の推進にも取り組んでいます。
主な事業:
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就労移行支援・就労定着支援・就労継続支援B型事業所の運営
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就労選択支援事業、雇用相談援助事業、リワーク支援の実施
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就職活動に困難を抱える学生及び若者のキャリア支援プログラムの企画・運営
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岐阜市WORK!DIVERSITYプロジェクト実証化モデル事業の運営・実施
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岐阜県若者サポートステーション事業の運営・実施
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岐阜県委託伴走型ひきこもり支援事業の実施
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障害啓発講演会、ダイバーシティ啓発イベントの企画・運営
法人概要:
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法人名: 一般社団法人サステイナブル・サポート
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所在地: 岐阜県岐阜市長住町2丁目7番地 アーバンフロントビル3階
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代表理事: 後藤 千絵
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設立: 2015年7月
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電話番号: 058-216-0520
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法人HP: https://sus-sup.com/
関連リンク
- WORK!DIVERSITYプロジェクトin岐阜 公式HP: https://workdiversitygifu.com/





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