労働供給と産業シフト
この10年間で、生産年齢人口(15~64歳)は391万人減少しましたが、総就業者数は452万人増加し、7.1%増となりました。特に、女性就業者は13.5%増、65歳以上の就業者は29.2%増となり、女性やシニア層の就業拡大が顕著です。
主要15産業の就業者数の増減率を見ると、産業間で大きな差が見られ、働き手が「情報通信業」や「医療・福祉」などへシフトしていることがうかがえます。
最も増加したのは「情報通信業」で44.5%増でした。次いで「学術研究、専門・技術サービス」が26.2%増、「不動産・物品賃貸」と「医療・福祉」がともに20.8%増となっています。一方で、「複合サービス」は25.4%減、「建設業」は4.4%減、「卸売・小売業」は2.4%減、「製造業」は0.2%減となりました。

働き手の構成変化
女性就業者比率の上昇
産業別に女性就業者の比率を見ると、2015年から2025年までの10年間で最も上昇したのは「学術研究、専門・技術サービス」で6.1ポイント増でした。これに続き、「不動産・物品賃貸」が5.3ポイント増、「情報通信業」が4.5ポイント増となっています。なお、「医療・福祉」は2025年時点で女性比率が最も高いものの、10年間では0.7ポイント低下しました。

65歳以上の就業者と若年層の動向
65歳以上のシニア就業者数は、2015年の730万人から2025年には943万人へと29.2%増加しました。全ての産業でシニアの比率が上昇しており、特に「不動産・物品賃貸」で5.6ポイント増、「医療・福祉」で5.5ポイント増、「複合サービス」で5.1ポイント増と、増加幅には差が見られます。

一方、29歳以下の就業者比率を見ると、「宿泊・飲食業」で9.4ポイント増、「情報通信業」で4.4ポイント増となるなど、若年層の構成変化には産業による違いがみられました。しかし、「医療・福祉」では3.0ポイント減となっています。

海外人材の大幅な増加
日本で働く海外人材(外国人労働者)は、2015年の90.8万人から2025年には257.1万人となり、10年間で約2.8倍に増加しました。産業別では、「医療・福祉」で約10.6倍、「建設業」で約7.1倍と大幅に増加しています。
全産業における海外人材比率も、2015年の1.4%から2025年には3.8%へ上昇しており、働き手の構成における海外人材の比重が高まっています。


労働市場の変化と今後の人材戦略
本調査結果は、生産年齢人口の減少と総就業者数の増加、そして「情報通信業」や専門・技術サービス、医療・福祉分野への就業者シフトが示唆しています。また、女性、65歳以上の就業者、海外人材の増加など、働き手の多様化も進んでいます。
少子高齢化により国内の労働供給制約が強まる中で、今後の人材確保においては、各産業内での採用強化に加え、産業や職種を越えた人材の移動を支える育成やリスキリング、多様な人材が活躍できる環境整備などを組み合わせていくことが重要になると考えられます。さらに、業務プロセスの見直しやデジタル活用による生産性向上を進め、限られた人材がより付加価値の高い業務で力を発揮できる環境を整えることも、今後さらに重要になると考えられています。
レポート詳細と調査概要
「主要15産業の人材動向レポート2026」の全編は、以下の資料ダウンロードページで提供されています。
調査概要
-
調査対象: 国内主要15産業(製造業、卸売業・小売業、医療・福祉、サービス業(他に分類されないもの)、建設業、宿泊業・飲食サービス業、教育・学習支援業、運輸業・郵便業、情報通信業、学術研究・専門・技術サービス業、生活関連サービス業・娯楽業、金融業・保険業、不動産業・物品賃貸業、複合サービス事業、電気・ガス・熱供給・水道業)
-
使用データ: 総務省「労働力調査」、厚生労働省「外国人雇用状況」、厚生労働省「賃金構造基本統計調査」など
-
分析項目: 女性比率、65歳以上の就業者比率、若者(29歳以下)の就業者比率、高齢化指数、職種構成比、非正規比率、海外人材比率、東京集中度、新卒就職者比率、転職入職者の比率、給与水準指数、男女間賃金格差
-
データ年: 2025年(転職入職者比率のみ2024年データを使用)





コメント