背景と課題
従来、児童相談所が一時保護先を調整する際には、施設の空き状況をリアルタイムで把握する手段がありませんでした。そのため、事案が発生するたびに約20施設に電話で打診する必要があり、満床の施設も多いため、一時保護先の決定までに1件あたり平均58分を要していました。
この間、子どもは警察署や自宅などで待機せざるを得ず、不安な気持ちを抱えたまま過ごすことになり、身体的・心理的な負担が大きいことが課題となっていました。

愛知県の児童相談所での実証と成果
こうした課題を解決するため、株式会社ミライクを実証事業者とし、愛知県福祉局児童家庭課を依頼元に、児童相談所と関係施設間の一時保護受入調整業務の効率化を目指すDXプロジェクトが実施されました。
本プロジェクトでは、以下の仕組みが構築されました。
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施設の受入可能状況をリアルタイムで把握できる仕組み
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受入依頼をLINE・メールで一括送信できる仕組み
これにより、電話中心だった打診業務がデジタル化され、受入調整業務の迅速化・効率化が検証されました。

実証の成果:一時保護の受入打診時間を約60%削減
夜間休日に実証実験として「KAKERU」を導入した結果、打診開始から一時保護先決定までに要する時間は、平均58分から22分へと大幅に短縮されました。これは約60%の削減に相当します。
また、児童相談所が事案を把握してから子どもの居場所に到着するまでの時間も、平均2時間56分から1時間57分へと短縮され、目標を上回る成果が確認されました。さらに、児童相談所職員を対象としたアンケートでは、94%が「業務負担の軽減につながる」と回答しており、現場での有効性が明確に示されています。


本導入後の運用状況
実証実験で一定の効果が確認されたことから、この取り組みは2025年11月27日より本格導入され、現在も運用が継続されています。本導入にあたっては、一時保護を受け入れる施設職員の負担軽減にも配慮し、運用面での工夫がなされました。
施設の空き状況がリアルタイムで一覧表示されるようになったことで、空きのない施設に電話をかける必要がなくなり、児童相談所職員の「どこが空いているのか分からない」という不安が解消されています。子どもにとっても、警察署や自宅などで待機する時間が短縮され、精神的・身体的負担の軽減に寄与しています。
今後の展望
本実証と本導入を通じて、一時保護業務における有効性と現場での実用性が確認されたことから、株式会社ミライクは、この仕組みを全国の児童相談所や施設で利用可能なサービスとして商品化することを決定しました。
このシステムを全国の自治体・児童相談所向け業務支援サービスとして提供し、一時保護に関わる受入調整業務の迅速化・効率化を全国へと広げることで、子どもが不安な状態で待つ時間を減らし、現場で働く職員と施設双方の負担軽減に貢献していくとしています。
導入事例詳細
本取り組みの詳細は、以下の導入事例ページでご覧いただけます。

会社概要

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社名: 株式会社ミライク
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代表取締役: 長島 礼孝
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所在地:
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本社: 愛知県名古屋市中区錦2丁目12-34
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東京オフィス: 東京都中央区湊1-8-11 八丁堀エイトビル7階
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事業内容: ICT活用支援、LINEを活用した業務支援ツールの開発・提供
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ホームページ: https://miraic.com
お問い合わせ先
KAKERUに関するお問い合わせは、以下のページから可能です。






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