大企業のDX推進とリアルタイム経営の現状
株式会社LayerXは、従業員規模2,000人以上の大企業に勤める部長職以上の方100名を対象に、「基幹システム運用に伴う『アナログ業務』と経営スピードに関する実態調査」を実施しました。
本調査は、企業規模が大きくなるほど時間がかかりやすい経営判断に必要なデータの収集・集計の課題に対応するため、基幹システムへの投資が進む中で、データの入力・転記・整合性確認といった人手によるアナログ業務が残り続けている実態を明らかにすることを目的としています。日々の経営数値をタイムリーに把握し、意思決定のスピードを上げる「リアルタイム経営」の実現状況や、アナログ業務の発生状況が調査されました。

調査結果サマリー
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大企業の83.0%がDXに積極的であると回答する一方、月々の経営判断に必要な数値を「1日以内」に把握できている企業は35.0%にとどまっています。
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基幹システム運用のための「アナログ業務」が発生していると回答した企業は80.0%に上ります。
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経営判断に必要な数値をリアルタイムに把握している企業の71.5%が、「アナログ業務」が多く発生していると回答しました。リアルタイムに経営判断に必要な数値を把握しようとするほど、アナログ業務が多く発生している可能性が示唆されます。
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システム投資に対し、期待したほどの費用対効果を感じられないと回答した企業は78.0%でした。
詳細な調査結果
DXへの取り組み姿勢とリアルタイム経営の実現率
大企業の部長職以上の方に、勤務先のDXへの取り組み姿勢を質問したところ、「積極的」が52.0%、「やや積極的」が31.0%で、合わせて83.0%がDXに対して「積極的である」と回答しました。

しかし、経営判断に必要な数値をどの程度の期間で把握できているかを質問したところ、「リアルタイム(1日以内)」と回答したのは35.0%に過ぎませんでした。残りの65.0%はリアルタイムな数値把握が実現できていない実態が明らかになっています。把握までにかかる期間の内訳を見ると、「2〜3日程度」が27.0%、「4〜5日程度」が12.0%、「1週間程度」が9.0%と、多くの企業で数日以上のタイムラグが発生している状況です。

基幹システム運用におけるアナログ業務の実態
基幹システム(ERP等)を正常に運用するためのアナログ業務がどの程度発生しているかを質問したところ、19.0%が「膨大に発生」、37.0%が「かなり発生」、24.0%が「多少は発生」と回答し、合わせて80.0%がアナログ業務が「発生している」と答えました。

リアルタイム経営とアナログ業務の関連性
基幹システムを正常に運用するためのアナログ業務の発生状況を、経営判断に必要な数値の把握までの期間別で分析すると、リアルタイムに把握できていると回答した人(n=35人)のうち、アナログ業務が「膨大に発生している」「かなり発生している」と回答する人が合わせて71.5%に上りました。
経営判断に必要な数値の把握までにかかる日数が増えるほど、アナログ業務が「発生している」と回答する人は少なくなる傾向が見られます。このことから、リアルタイムに経営判断に必要な数値を把握しようとするほど、システムへの手入力・転記・データの整合性確認など「アナログ業務」が多く発生している可能性が推測されます。

システム投資の費用対効果
多額のシステム投資を行っているにもかかわらず、期待したほどの費用対効果を感じられず、結果として「デジタル投資がアナログ業務やコストを生んでいる状態」になっていると感じるかを質問したところ、32.0%が「強く感じる」、46.0%が「やや感じる」と回答し、合わせて78.0%がこれに同意しました。

まとめと示唆
本調査から、経営判断に必要な数値を早期に把握し、経営スピードを高めている企業ほど、そのためのアナログ業務が多く発生していることが分かりました。
DX投資を重ねても、多くの企業が「期待した費用対効果を得られていない」と感じていることと合わせると、問題はシステムの選択や高度化にとどまらず、基幹システムに至るまでの前段業務の設計にあると考えられます。「リアルタイム経営」を持続可能にするには、ツールの高度化と同時に、業務プロセスそのものの再設計が求められるでしょう。
関連資料
本調査の詳細レポートは以下からダウンロードできます。
また、基幹システム刷新時のフロントシステム選びの重要ポイントを解説した資料も提供されています。






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