管理職のメンバーに対するイメージとマネジメントの状態に関する調査結果
株式会社リクルートマネジメントソリューションズは、企業で働く管理職を対象とした「『管理職のメンバーに対するイメージ』とマネジメントの状態に関する調査」の分析結果を発表しました。この調査は、管理職の適応感ややりがい、そしてメンバーに対するイメージの関係性を分析したものです。

管理職の現状:仕事の意義と疲弊感
調査の結果、管理職は仕事の意義や役割を感じている一方で、仕事の切迫感や疲弊感も同時に抱えていることが分かりました。多くの管理職が自分の仕事に意味がないとは感じていないものの、「心身ともに疲れはてたと思うことがある」といった疲弊感に関する項目には4〜5割が「あてはまる」「ややあてはまる」と回答しています。
管理職としての成果を感じ、仕事を通じて成長したと感じる人がいる一方で、キャリアの展望については意見が分かれる傾向が見られます。


マネジメント行動とやりがい
管理職は、メンバー育成や目標設定などの基本的なマネジメント行動にやりがいを感じる傾向があります。「部下の優れた点や努力した点を積極的に褒める」「職務上の問題にすばやく手を打つ」といった行動に7割以上がやりがいを感じています。
しかし、「経営トップ層から協力や支援を得る」「他社の動向や消費者ニーズなどの外部動向情報を収集する」といった組織外部との連携や、部下への権限委譲といった革新につながる行動に対するやりがいは相対的に低い傾向が見られました。


メンバーに対するイメージとフォロワーシップ
管理職がメンバーに対して抱くイメージは全体的に肯定的で、「信頼できる」「よく働く」「チーム・プレイヤー」といった認識が7割以上を占めています。一方で、「傲慢」「怒りっぽい」といった否定的なイメージは比較的少ない結果となりました。

しかし、メンバーのフォロワーシップ行動については、認識にばらつきが見られます。「上司の要求や目的を理解し、一生懸命働く」といった積極的支援行動は5〜6割が認識しているものの、「上司に建設的な批判を行う」「上司の反対をものともせず提案を通そうとする」といった批判的行動は3割程度にとどまり、相対的に少ないと認識されています。

メンバーの認識が管理職のやりがいを左右する
分析の結果、管理職が「積極的に支援するメンバーが多い」と認識しているほど、メンバーとの関係構築や育成支援といったマネジメント行動に対するやりがいが高まる傾向が見られました。また、管理職としての成果実感や適応感も高まることが示されています。
興味深いことに、メンバーからの「建設的な批判行動」は、積極的に支援するメンバーが多いと認識されている場合には管理職の成果実感にポジティブな影響を与える可能性があります。しかし、積極的支援を行うメンバーが少ないと認識されている状況では、批判的行動が多いと感じると管理職のやりがいや肯定的感情が低下する傾向が見られました。

これらの結果から、管理職のやりがいやマネジメントへの前向きな感情は、メンバーの行動そのものだけでなく、管理職がメンバーをどのように認識しているかによっても左右される可能性が示唆されます。
調査担当者のコメント
株式会社リクルートマネジメントソリューションズ 技術開発統括部 研究本部 研究主幹の入江 崇介氏によると、管理職が「積極的に支援するメンバーが多い」と認識しているほど、メンバーへの育成支援、関係構築、権限委譲といったマネジメント行動に対するやりがいが高まる傾向が確認されたとのことです。また、管理職としての成果実感やワーク・エンゲージメント、適応感といったポジティブな心理状態も、積極的支援を行うメンバーが多いと認識しているほど高まる傾向が見られました。
入江氏は、管理職の状態はメンバーの行動だけでなく、それをどのように認識しているかによっても左右される可能性があり、特にメンバーを支援的な存在として捉える認識が、管理職のマネジメント行動や成果実感、適応感の高さと関連していると指摘しています。管理職の負担増加や担い手不足が指摘される中で、管理職個人の能力や努力だけに依存するのではなく、管理職とメンバーの相互作用に着目した組織づくりが重要であるという見解が示されています。
調査概要
「管理職のメンバーに対するイメージとマネジメントの状態に関する調査」は、従業員規模300名以上の会社に勤務する22歳〜59歳の大卒・大学院卒の正社員で、部下のいる課長相当の管理職を対象に実施されました。

調査目的は、管理職がメンバーに対して抱くイメージ、管理職の適応感ややりがいを把握し、両者の関係を明らかにすることです。調査はコモンメソッドバイアスを回避するため、2025年9月に2時点調査としてインターネットモニター調査(無記名式)で行われ、最終的に430名の有効回答が得られました。
株式会社リクルートマネジメントソリューションズについて
株式会社リクルートマネジメントソリューションズは、「個と組織を生かす」をブランドスローガンに掲げ、クライアントの経営・人事課題の解決と事業・戦略推進を支援するプロフェッショナルファームです。1963年の創業以来、人材採用、人材開発、組織開発、制度構築といった事業領域において、アセスメント、トレーニング、コンサルティング、HRアナリティクスなどのソリューションを提供しています。社内には「組織行動研究所」と「測定技術研究所」を擁し、理論と実践に基づいた研究・開発・情報発信を行っています。
詳細は以下のウェブサイトをご覧ください。
https://www.recruit-ms.co.jp





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