特集1:若手が育つ組織ー採用から戦力化までの新設計
人材不足が深刻化し、新卒採用の売り手市場が続く一方で、入社3年以内の離職率が約3割にのぼるなど、若手人材の確保と定着は多くの企業にとって喫緊の経営課題となっています。本特集では、働きがいや自律的な成長を重視する若手に対し、企業がいかなる環境と機会を設計すべきかを探求しています。
有識者への取材や企業の実践事例を基に、若手が定着し、成長する組織づくりのヒントと、これからの人材マネジメントの方向性を展望しています。

主な記事として、株式会社人材研究所 代表取締役社長の曽和利光氏は「『ガクチカ』採用から学業評価へ 新たな評価軸『学ポタ』の可能性」について論じています。曽和氏は、「企業が学業を評価しないから、学生は課外活動に力を入れるという構造を変えられるのは、採用する側の企業です。採用が変われば学びが変わり、入社後の成長も変わる。そしてそれは、日本全体の知的生産性の向上にもつながるでしょう」と述べています。

三井住友海上火災保険株式会社 人事部・採用チームの池上遼氏は、「学生が抱える不安に寄り添い安心して働ける環境を整える」と題し、採用活動のシフトチェンジについて触れています。「以前は人事部が全国の採用全体を担っていましたが、その土地で働く社員が採用活動をしていく方向にシフトチェンジしました。(中略)リアルに入社後を想像するためにはそこで働く人がどのようなことを大切にして、どのような想いでその土地で働くことを選び、日々汗をかいているのか、を伝えることが重要です」と語っています。
他にも、京都大学経営管理大学院 副院長・教授の関口倫紀氏による「AIが変える組織マネジメント 矛盾した要素の両立がカギを握る」、産業能率大学 経営学部 教授の齊藤弘通氏による「仕事への熱量に効果が高いジョブ・クラフティングを促す」、株式会社リクルートマネジメントソリューションズ サービス統括部 主任研究員の桑原正義氏による「上司と若手の対立構造ではなくお互いの強みを活かすタッグへ」、東京大学大学院 経済学研究科 講師の舟津昌平氏による「若者への勝手なイメージづけ それがもたらす弊害と対策」などが掲載されています。
特集2:情報活用能力を育むーメディアリテラシー・データサイエンス教育
探究的な学びの基盤となる情報活用能力は、次期学習指導要領の改訂に向けた中央教育審議会の「論点整理」でも「情報活用能力の抜本的向上」が検討項目の一つに挙げられています。本特集では、学校現場で情報活用能力を育む学びをどのように充実できるかについて、有識者の知見や企業の取り組みなどを踏まえて検証しています。
放送大学 教養学部 准教授の小林祐紀氏による「『情報活用能力ベーシック』が支える学習者主体の授業デザイン」、弘前大学 教育学部 准教授の森本洋介氏による「クリティカルな思考を育むメディア・リテラシー教育とは」、株式会社Rejoui 取締役の見並まり江氏による「地域課題から学ぶAI・データサイエンス教育」、山梨大学 教育学部 附属教育実践総合センター 准教授の稲垣俊介氏による「『30歳のわたし』で育む 自分事として学ぶ教科『情報』」などが紹介されています。
地域×教育イノベーション:香川県 座学を超えた学びの創出
瀬戸内海に面し、温暖な気候と豊かな自然に恵まれた香川県では、「郷土を愛し 夢と志を持って自ら学び 歩み続ける人づくり」を基本理念に掲げた教育施策が展開されています。香川大学は「持続可能な地方分散型社会の実現」をビジョンに、地域との共創を通じて次代を担う人材を輩出しています。

民間においても、対話を重視した組織開発・人材育成、地方企業の人事課題に向き合うスタートアップの挑戦、人生の選択肢を増やす越境体験の提供など、香川発の新たな学びのモデルが生まれています。本企画では、香川県を舞台にした教育・人材育成プロジェクトが紹介されています。
香川県教育委員会 教育長の淀谷圭三郎氏による「自ら学び歩み続ける人を育てる」では、学びの見通しを持つことの重要性が語られています。

香川大学長の上田夏生氏による「地域に学び、貢献する研究を通し持続可能な地方分散型社会の実現へ」では、災害ボランティア活動や研究室での取り組みが紹介されています。


その他、株式会社ONDO 代表取締役・ファシリテーターの谷益美氏、合同会社HelpHR CEOの井上哲貴氏、NPO法人みんなの進路委員会 理事長の谷村一成氏、株式会社ARTFIT 代表取締役の岡田敬弘氏による取り組みも掲載されています。
トップインタビュー
本号では、以下のトップインタビューも掲載されています。

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一般社団法人日本船主協会 会長 長澤仁志氏:「造船を中心とした海事産業群強化で海事立国日本の未来を切り拓く」
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株式会社プランテック 代表取締役社長執行役員 小山直行氏:「専門性を掛け合わせた組織戦略 世の中の『当たり前』を更新する」
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株式会社ベアーズ 取締役副社長 髙橋ゆき氏:「家事代行を暮らしのインフラに 人を育て産業を創る」
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株式会社サンギ 代表取締役社長 ロズリン・ヘイマン氏:「独創の技術で世にない価値を追求 挑戦が人の力を引き出す」
その他注目、連載記事
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巻頭言:一般社団法人 教育AI活用協会 代表理事 佐藤雄太氏「産学官で連携し、AI活用で学びを豊かに」
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令和日本の構想[最終回]:社会構想大学院大学 社会構想研究科 研究科長・教授 先﨑彰容氏「現代アメリカを『理解』する哲学」
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<新連載>次期学習指導要領を読み解く:文部科学省 初等中等教育局 主任視学官 田村学氏「次期学習指導要領に向けた基本的な考え方」
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実務家教員という生き方:放送作家、ノンフィクション作家、西武文理大学 非常勤講師、社会構想大学院大学 実務家教員養成課程 修了生 柘植敬子氏「放送作家が実務家教員の道を拓く」
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企業による教育貢献:キャノンエコテクノパーク「企業の現場で探究を深める体験型の環境学習プログラム」
雑誌概要「月刊先端教育」2026年5月号
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出版社:学校法人先端教育機構 出版部
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価格:1,620円(税込)
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月刊先端教育について
2019年10月に創刊された『月刊先端教育』は、教育の未来を見通すメディアとして、学校教育から就学前教育、社会人教育まで、あらゆる「学び」に焦点を当てる専門誌です。社会変化や社会課題にリンクした教育テーマや政府の重点教育政策を特集し、企業内・社会人教育にフォーカスした特集、海外の教育動向や教育業界のイノベーターを取り上げる連載などを掲載しています。教職員や自治体、企業、NPOなど、教育に携わるすべての人に有益な情報・アイデアを提供しています。
月刊先端教育 公式サイト
学校法人先端教育機構の概略
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名称:学校法人 先端教育機構
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理事長:東 英弥
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所在地:東京都港区南青山3-13-16
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設置校:事業構想大学院大学(本部:東京都港区南青山3-13-16、拠点:東京、名古屋、大阪、福岡、仙台)、社会構想大学院大学(東京都港区南青山3-13-18)
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付属機関:事業構想研究所、先端教育研究所
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出版:月刊事業構想、月刊先端教育、書籍等





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