国際ローミング保守の課題解決へ
国際ローミングサービスでは、通信サービスに異常が発生した場合、複数の通信事業者が連携して迅速に対応する必要があります。しかし、これまでは事業者間の連携ルールが統一されておらず、各社がEメールやWebポータルなど独自の受付チャネルを用いて手動で故障対応を行っていました。これにより、不具合報告や進捗共有に遅延が生じるという課題がありました。
自動化されたワークフローで迅速な対応を実現
今回の実証実験では、ServiceNow CRMおよびServiceNow AI Platformを活用し、不具合発生時に「何が起きたのか」「どのネットワークで発生したのか」「どのような対応が進められているのか」といった情報を迅速に可視化し、従来手動で行っていたプロセスを自動化されたワークフローへと転換しました。
この自動化により、通信事業者は状況をより早く正確に把握できるようになり、お客さまが安心して通信サービスを利用できる環境の実現に貢献します。また、問題の早期検知と迅速な解決が可能となることで、世界中の渡航者に対する国際ローミングサービス品質のさらなる向上につながります。

NTTドコモは2021年以降、ServiceNowと協業し、ゼロタッチオペレーション(ZTO)による遠隔保守作業の自動化を進めてきました。この取り組みは、不具合からの復旧時間短縮や監視体制の見直しによる効率化などの成果を上げています。現在は、この自動化の仕組みを通信事業者間に拡張するため、StarHubを含めた3社で、不具合情報をリアルタイムに共有・連携できる仕組みの構築を進めています。
今後の展望
3社は今後、技術検証を進め、2026年内の商用提供開始をめざしています。将来的には、通信事業者間の運用モデルを標準化し、より多くのお客さまが国境を越えても途切れず快適に通信を利用できるよう、グローバルな展開を視野に取り組んでいくとのことです。
NTTドコモ 執行役員 ネットワーク本部長の引馬 章裕氏は、今回の協業が国際ローミングサービスの信頼性向上に重要な一歩であると述べ、サービス中断の大幅な低減や不具合解決までのスピード向上に期待を寄せています。
StarHub Ltd. 最高技術責任者のヴォルカン セヴィンディク氏も、渡航者がどこにいても変わらず接続できることの重要性を強調し、業界が長年抱えてきた課題に根本から取り組むことができるとコメントしています。
ServiceNow 製造・通信・メディア・テクノロジー担当ゼネラルマネージャー兼バイスプレジデントのロヒト・バトラ氏は、ServiceNow CRMとServiceNow AI Platformの独自の機能により、数時間を要していたオペレーションが数分で完了するようになると述べています。
Mplify 最高技術責任者のパスカル・メネゼス氏は、オープンで業界標準に基づく仕様により、複数のサービスプロバイダー間で一貫性があり相互運用可能なオペレーションが実現できることを示していると評価しています。
用語解説
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ServiceNow CRM: ServiceNowが提供する顧客管理(CRM:Customer Relationship Management)を実現する製品群です。
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ZTO(ゼロタッチオペレーション): 人手による作業を必要とする従来の保守業務を自動化し、人手による対応を最小化する仕組みです。





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