提出前AIチェックは上司との対話の「前工程」として定着
調査によると、上司へ提出する資料やメールについて、69.6%が「提出前に日常的にAIチェックを行う(ほぼ毎回+ときどき)」と回答しています。「まれに行う」まで含めると、82.5%に達し、若手社員の間で提出前にAIで体裁を整える行動が定着していることが分かります。

AIチェックの目的は、上司との時間を「添削」から「相談・判断」へシフトすること
提出前にAIチェックを行う理由として上位に挙げられたのは、「評価・信頼の維持(46.9%)」と「相談の質を高めるため(42.9%)」でした。これに続き、「指摘によるストレスの軽減(30.1%)」、「期待を超える成果の創出(29.7%)」が続き、「作業時間の短縮(タイパ)(20.8%)」を大きく上回る結果となりました。

これらの結果や社内ヒアリングの定性コメントからは、Z世代が提出物の体裁や事前準備をAIで整えた上で、上司とは背景やリスクを踏まえたより本質的な判断・相談に時間を割きたいという意向がうかがえます。

Z世代が考える、AI時代の上司の役割は「文脈込みの判断」
AIが知識を提供する時代において、上司に求める役割を調査したところ、「業務のやり方を教える先生役(25.2%)」と「仕事の意味を語る旗振り役(25.0%)」が拮抗しました。その役割をAIではなく人間に求める理由としては、「文脈・背景まで踏まえた判断をしてくれるから」が最も多く(34.5%)挙げられています。
この調査からは、データやマニュアルでは処理しづらい状況を読み解き、意思決定につなげる「文脈込みの判断」が、AI時代における上司の価値として若手社員の中でより重視されている傾向が見られます。

AI活用を促進する要因
本調査では、現在の職場への参画時点で生成AIが導入されていた「AI入社組」と、入社後に導入された「AI後追い組」の2グループを比較しました。その結果、提出前のAIチェックを「ほぼ毎回行う」割合は、AI入社組(47.2%)がAI後追い組(12.3%)の約4倍となっており、組織での業務開始時にツールが標準化されていたかという環境要因が、活用習慣に関連する可能性を示しています。

また、心理的安全性が高いチームほど、生成AIのフィードバックを信頼して行動に移す意向(生成AIへの信頼度)が高い傾向も確認されました。心理的安全性が高いチームでは72.0%が生成AIを信頼しているのに対し、低いチームでは11.8%にとどまっています。この結果は因果関係を示すものではありませんが、AI活用の推進にはツール導入だけでなく、率直に相談できる土壌も関係する可能性を示唆しています。

考察:生成AIがもたらす、上司と部下のコミュニケーションの質の進化
本調査の結果から、Z世代は生成AIを単なる業務の効率化にとどまらず、上司とのコミュニケーションをより本質的で価値あるものにするためにも活用していることがうかがえます。
形式面の不備をAIが即座に補完できるようになった今、上司が従来担ってきた「添削」という役割は、大きな変化の時を迎えています。代わって上司に求められるのは、データやマニュアルにはない文脈や背景を踏まえ、人間にしかできない意思決定に専念する役割にシフトしていると考えられます。
調査概要
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調査名: 生成AI時代の業務意識と上司への期待に関する調査
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調査時期: 2025年12月23日〜26日
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調査方法: インターネット調査
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調査対象: 全国のZ世代(22歳〜28歳)会社員のうち、勤務先に生成AIが導入されている環境で働く層
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有効回答数: 527名
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実施主体: LINEヤフーコミュニケーションズ株式会社





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