主な調査結果
雇用中の企業は限定的、約4割は「非雇用」が継続
現在の外国人労働者の雇用状況について尋ねたところ、「雇用している(正社員・非正規含む)」と回答した企業は全体の一部にとどまりました。一方で、「過去に雇用していたが、現在はいない」「検討したことはあるが、雇用したことはない」「検討したこともない」といった回答が合計で約4割を占めています。

人手不足を背景に関心は高まっているものの、多くの企業が継続的な雇用に至っていない実態がうかがえます。これは、外国人雇用特有の労務コストが影響している可能性が考えられます。
雇用人数は「5名以下」が中心、個別管理の重要性
外国人労働者の人数については、「1〜2名」または「3〜5名」という回答が全体の大半を占めました。5名以下の少人数規模で受け入れている企業が中心であり、大人数を一度に雇用している企業は少数派です。

少人数雇用ではきめ細かなフォローが可能である一方、一人ひとりの在留資格や期限が異なるため、属人的な管理になりやすいリスクがあります。管理ミスが「不法就労助長罪」などの重大なコンプライアンス違反に直結する可能性があるため、組織的な管理体制の構築が不可欠です。
在留資格の把握不足は経営リスク
雇用している外国人労働者の在留資格について、「在留資格がわからない」といった回答が見られました。外国人を雇用する際、ハローワークへの届出や在留カードの真正確認は義務です。

在留資格を把握せずに雇用を継続することは、不法就労助長罪に問われる可能性があり、企業名の公表や罰則、今後の外国人受け入れ制限といった経営上の大きなダメージに繋がる恐れがあります。
約半数が「何らかの良い変化があった」と回答
「外国人労働者を雇用して、社内に良い変化はありましたか?」という設問に対し、「良い変化があった」と回答した企業は一定割合にのぼりました。その一方で、「特に変化は感じていない」とする回答もあり、受け入れの成果には企業ごとに明確な差が出ています。

この差は、雇用後の「配置」と「フォローアップ」の質にあると考えられます。外国人労働者の働く意欲を最大限に引き出せている現場では、周囲の日本人従業員にも良い刺激が伝わっている傾向が見られます。
ポジティブな変化として多かったのは「人手不足の緩和」
具体的な変化の内容として最も多かった回答は「人手不足が緩和された」ことでした。それ以外にも「現場の活性化」や「多様な価値観の醸成」といった前向きな意見が寄せられています。

これらのポジティブな変化は、業務の標準化や多文化共生への意識改革、グローバルな視点の獲得といった波及効果を生んでいます。単に「人を雇う」だけでなく、「異なる背景を持つ人材をどう活かすか」というダイバーシティ経営の視点が現場レベルまで浸透している企業で、こうした効果が実感されているようです。
約2割が「特別な対応はしていない」と回答
受け入れにあたっての具体的な施策について尋ねたところ、「社内ルールやマニュアルの多言語化」や「業務内容の再定義」をおこなっている企業がある一方で、約2割の企業が「特別な対応はしていない」と回答しました。

この「特におこなっていない」という状況は、将来的な労務トラブルや早期離職のリスクを内包している可能性があります。外国人労働者を雇用する際は、単なる人手不足解消だけでなく、言語の壁を越えた安全管理や就業規則の周知といった、受け入れ体制の標準化(コンプライアンスの整備)が急務となります。
課題として最も多かったのは言語・コミュニケーション面
雇用後に直面している課題としては、「言語・コミュニケーション面」が圧倒的多数を占めました。次いで「特別な対応はしていない」が挙げられています。

これは単に「日本語が通じない」という問題だけでなく、指示の不徹底によるミス、評価への不満、生活上のトラブルといった実務上の課題に繋がっているようです。一方で「課題を感じていない」と回答した企業では、事前準備として「やさしい日本語」の導入や、外部の登録支援機関との連携が機能している可能性が高いと考えられます。
育成就労制度を十分に理解している企業は少数派
2024年に成立し、2027年までに施行される「育成就労制度」について尋ねたところ、「十分に理解している」と回答した企業は極めて少数にとどまりました。

多くの企業が「概要は把握している」や「言葉は聞いたことがある」程度の認識であり、制度移行期特有の情報不足が顕著です。制度理解の不足は、施行直前の混乱を招くだけでなく、優秀な人材が他社へ流出する原因にもなりかねません。
今後の雇用方針は「現状維持」または「慎重姿勢」が多数
今後の外国人労働者の雇用方針については、「現状維持」や「当面は雇用予定なし」、「慎重に検討したい」といった回答が過半数を占めました。これは、前述の「言語の壁」や「制度移行への不安」が、拡大意欲を抑制している結果と言えるでしょう。

少子高齢化による生産年齢人口の激減が避けられない日本において、外国人労働者の活用はもはや「選択肢」ではなく「経営基盤」となりつつあります。早い段階から「育成就労」や「特定技能」への理解を深め、生活支援体制を構築している企業は、地域における採用競争力でリードすることになるでしょう。
今後は、単に「雇用できるかどうか」を検討する段階から、「どのようにして自社に定着してもらうか(リテンション)」を戦略的に考える人事労務の役割がより重要になると考えられます。
調査結果まとめ
今回の調査からは、外国人雇用のニーズが高い一方で、実務上の管理体制や制度理解に不安を抱える企業の姿が浮き彫りになりました。2026年は、翌年に控えた「育成就労制度」への移行準備が本格化する重要な年です。人事労務担当者には、在留資格の厳格なコンプライアンス遵守を基盤としつつ、多様な人材が長期的に活躍できる「選ばれる職場」を戦略的に構築していくことが求められています。
労務SEARCHではこれからも、こうしたアンケート調査を通じて、人事・労務管理に関する課題を解決する手助けとなる情報を発信してまいります。
調査の実施概要
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調査対象:人事労務担当者300名
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調査方法:インターネット調査
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調査日:2026年1月21日~2026年2月4日
労務SEARCHについて

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エフアンドエムネット株式会社 概要
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事業所:大阪・東京





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