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製造業の新入社員、8年間で過去最高の79.6%が「今の会社で働き続けたい」と回答

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勤続意向と理想の職場文化

8年間で過去最高「今の会社で働き続けたい」79.6%が回答

製造業の新入社員の79.6%が「できれば今の会社で働き続けたい」と回答しました。この割合は、製造業を除く全業種(他業種)と比較して16.1ポイント高く、過去8年間で最も高い結果となっています。

図1 製造業の新入社員の勤続意向

2019年度以降の推移を見ると、「できれば今の会社で働き続けたい」と回答した割合は徐々に増加し、2026年度は過去最高の割合を示しています。

図2 経年比較 製造業の新入社員の勤続意向

働き続けたい条件は「職場の人間関係が良い」が約7割

今の会社で働き続けたい条件として、製造業の新入社員の69.5%が「職場の人間関係が良い」と回答し、次いで「高い給与・賞与をもらえる」が60.0%でした。他業種と比較すると、「職場の人間関係が良い」は3.7ポイント高く、「業績が安定している」は9.9ポイント高い結果となっています。

一方、「仕事を通じて成長できる」は2020年度の46.7%から17.9ポイント減少し、3割を切りました。「やりたい仕事ができる」も4年連続で減少し、2割未満にとどまっています。

図3 製造業の新入社員が「今の会社で働き続けたい」と思う条件

図4 経年比較 製造業の新入社員が「今の会社で働き続けたい」と思う条件

長く働きたい会社の雰囲気・文化は「互いに協力し合い、チームワーク重視」

長く働きたい会社の雰囲気・文化については、77.9%が「互いに協力し合い、チームワークを重視する文化がある」と回答しました。これは他業種より3.4ポイント高い割合です。

図5 製造業の新入社員が「長く働きたい」と思う会社の雰囲気・文化

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キャリア志向

キャリア志向が不明確な割合が約半数

将来会社で担いたい役割について、製造業の新入社員は「組織を率いるリーダーとなり、マネジメントを行いたい(管理職)」が23.0%、「専門性を極め、スペシャリストとしての道を進みたい(専門職)」が27.9%でした。これらは他業種より低い割合です。また、「特にキャリアについての志向はなく、楽しく仕事をしていたい」と「まだはっきりしておらず、今後決めていきたい」がそれぞれ24.1%となり、明確なキャリア志向を持たない層が約半数を占めています。

図6 製造業の新入社員が将来会社で担いたい役割

経年変化を見ると、製造業・他業種ともに「専門性を極め、スペシャリストとしての道を進みたい」と回答した割合が最も高くなっています。「組織を率いるリーダーとなり、マネジメントを行いたい」という回答は、製造業では2021年度をピークに減少傾向にありましたが、2026年度は前年度より増加しました。

図7 経年比較 新入社員が将来会社で担いたい役割

管理職志向の理由は「仲間と仕事をするのが好きだから」が過去最高

管理職志向の新入社員がリーダーになりたい理由として、製造業では「仲間と仕事をするのが好きだから」が40.7%と過去最高の割合になりました。これは他業種でも増加傾向にあります。

図8 経年比較 管理職志向の新人社員が管理職になりたい理由

専門職志向の理由は「専門性を活かして仕事したい」が約6割に達し過去最高

専門職志向の新入社員が専門職になりたい理由では、製造業・他業種ともに「いざというときに専門性を活かして仕事をしていきたいから」が過去最大の割合となりました。製造業では2022年度以降トップを維持し、2024年度からは増加傾向にあります。

図9 経年比較 専門職志向の新入社員が専門職になりたい理由

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成長への取り組み

スキルアップのために「特に何もしていない」が38.5%

スキルアップのために既に取り組んでいることとして、製造業の新入社員の38.5%が「特に何もしていない」と回答しました。これは他業種より8.6ポイント高い結果です。

図10 製造業の新入社員がスキルアップのために既に取り組んでいること

キャリアアップにつながる理想の上司は「間違いを指摘して正してくれる」

キャリアアップにつながる理想の上司として、製造業の新入社員の64.0%が「間違いを指摘して正してくれる」と回答しました。これは他業種より9.0ポイント高い割合です。次に「具体的に手順を細かく教えてくれる」(47.1%)、「自分のことをよく見てくれ、声をかけてくれる」(39.4%)が続いています。

図11 製造業の新入社員の「理想の上司」

成長に必要なもの「成功体験」「失敗体験」がいずれも6割超

自分が成長するために必要なものとして、「仕事を通じた成功体験」と「仕事を通じた失敗体験」がどちらも6割を超えました。特に「仕事を通じた失敗体験」は、他業種より7.1ポイント高い結果です。

図12 製造業の新入社員が考える「成長に必要なもの」

評価されたいこと「自分の成長」が他業種より大幅に高い

これからどのようなことで評価されたいかという質問に対し、製造業の新入社員の65.2%が「自分の成長(スキルアップ・知識習得)」と回答しました。これは他業種より25.5ポイント高い結果です。次いで「取り組み姿勢(努力・頑張り・素直さ)」も62.9%と高く、他業種より7.8ポイント高くなっています。

図13 製造業の新入社員が評価されたいこと

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まとめと考察

本調査から、製造業の新入社員は他業種と比較して「今の会社で働き続けたい」という意向が強く、その割合は年々高まっていることが明らかになりました。働き続けたい条件として「職場の人間関係が良い」、長く働きたい会社の雰囲気・文化として「互いに協力し合い、チームワーク重視」に回答が集まったことから、製造業の新入社員は職場内の人間関係や協働に支えられて定着する傾向がうかがえます。

一方で、勤続意向の条件のうち「やりたい仕事ができる」と回答した割合は減少し、キャリア志向は約半数が不明確で、管理職・専門職志向ともに他業種より低い傾向が見られました。スキルアップに向けて「特に何もしていない」と回答した割合も高く、今の会社で働き続けたい気持ちは強いものの、自身の将来像や成長の方向性を明確に描けていない実態が示されています。

しかし、成長意欲そのものが乏しいわけではありません。「自分の成長」で評価されたいと考える割合が高く、「成功体験」「失敗体験」のいずれも成長に必要だと考えていることから、成長欲求は十分に内在していると考えられます。製造業の新入社員は、良好な人間関係の中で安定的に働きたいという志向を持っており、適切な関わりや機会があれば、自ら成長しようとする力を引き出せる可能性を秘めていると言えるでしょう。

企業に求められるのは、高い定着意向を維持しつつ、それを成長と挑戦につなげる育成環境を整えることだと考えられます。

高い定着意向を“ぬるま湯化”させず、成長につなげるための3つのポイント

分業制の製造業では、自分の仕事の意義や今後担う役割を捉えにくく、仕事を通じた成長実感を得にくい特徴があります。良好な人間関係による「居心地の良さ」が主な満足要因となり、挑戦や成長の機会が乏しくても満足してしまう「ぬるま湯定着」につながる可能性があります。この状態を放置すると、個人のスキル陳腐化や挑戦意欲・主体性の低下、キャリア自律の弱まりにつながりかねません。チームや組織でも、新しい発想や改善提案が生まれにくくなり、変化への適応力や競争力の低下を招くおそれがあります。そこで、高い定着意向を“ぬるま湯化”させず、成長につなげるための3つのポイントが挙げられています。

  1. お互いにフィードバックし合う文化の醸成
    管理職や先輩社員に対し、相手の成長を目的としたフィードバックのあり方を体系的に学ぶ機会を用意し、実践を後押しすることが重要です。フィードバックは育成と組織の成長のために不可欠な取り組みであることを、上層部が一貫して発信し続けることも求められます。

  2. 成長実感・自己効力感を高める仕組みづくり
    個人の成長と組織への貢献を結びつけて認識できるよう、「貢献実感」と「自己効力感」を意図的に高める仕組みの設計が有効です。例えば、前後工程とのつながりを理解し、自分の仕事の意味や意義を言語化する機会や、成果だけでなく挑戦や改善プロセスを評価・称賛する場を設けること、若手から業務改善提案を募り、実際の成果につなげる機会をつくることなどが考えられます。これらの取り組みを通じて、「前例を踏襲するだけでなく、主体的に改善することに価値がある」というメッセージを現場に浸透させることが重要です。

  3. 「キャリアの自分ごと化」を促す設計
    キャリアの選択肢や成長の道筋を主体的に示し、若手がキャリアを自分ごととして捉えられる環境を整備することが重要です。具体的には、職種・役割・成長ステップを示したキャリアパスの明示、等身大で目指しやすいロールモデルとキャリアに関する対話をする機会の創出などが有効です。こうした支援を通じて、若手が「自分はどのように成長し、どのように組織に貢献していくのか」を具体的にイメージできるようになるでしょう。

製造業の新入社員は、安心して働ける環境を重視する一方で、成長したい、できるようになりたいという思いも持っています。企業に求められるのは、その安心感を“ぬるま湯”にせず、挑戦と成長を支える土台へと転換する仕組みづくりです。高い定着意向を入り口に、フィードバック、成長実感、キャリアの自分ごと化を通じて若手の可能性を引き出せるかどうかが、これからの製造業の競争力を左右する重要な鍵となると言えるでしょう。

ALL DIFFERENT株式会社 組織開発コンサルティング本部 東京コンサルティング事業部 事業部長(製造業グループ) 藤原 宏之氏

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調査概要

項目 内容
調査対象者 ALL DIFFERENT株式会社が提供する新入社員研修に参加した2026年度入社の新入社員
調査時期 2026年3月24日~5月6日
調査方法 Web・マークシート記入式、または自記式でのアンケート調査
サンプル数 3,849人(うち、製造業652人)
属性 (1)業種別内訳あり
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ALL DIFFERENT株式会社について

ALL DIFFERENT株式会社は、組織開発・人材育成支援を手掛けるコンサルティング企業です。人材育成から、人事制度の構築、経営計画の策定、人材採用までの組織開発・人材育成の全領域を一貫して支援しています。

ALL DIFFERENT ロゴ

  • 代表取締役社長: 眞﨑 大輔

  • 本社所在地: 〒100-0006 東京都千代田区有楽町2-7-1 有楽町 ITOCiA(イトシア)オフィスタワー 15F(受付)・17F・18F

  • 支社: 中部支社、関西支社

  • 人員数: 333人(2026年4月1日時点)

  • 事業: 組織開発支援・人材育成支援、各種コンテンツ開発・提供、ラーニングイノベーション総合研究所による各種調査研究の実施

  • サービス: 定額制集合研修「Biz CAMPUS Basic」/ライブオンライン研修「Biz CAMPUS Live」/ビジネススキル学習アプリ「Mobile Knowledge」/ビジネススキル診断テスト「Biz SCORE Basic」/IT技術習得支援サービス「IT CAMPUS」/デジタルスキル習得支援サービス「DX CAMPUS」/管理職アセスメント「Discover HR」「Competency Survey for Managers」/人事制度構築支援サービス「Empower HR」/経営計画策定支援サービス「Empower COMPASS」/転職支援・人材紹介サービス「Biz JOURNEY」/採用支援・人材紹介サービス「Biz TALENT Bridge」ほか

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