パートナーシップ締結の背景
近年、生成AIの発展によりデジタル領域でのAI活用が急速に広がる一方で、ロボットやヒューマノイドといったフィジカルAIの現実空間での活用は限定的です。これは、デジタルデータだけでなく、現実世界から得られる身体性を伴ったデータが必要となるためです。身体性を伴ったデータとは、人が物をどのように持ち、どのような順序で作業し、現場でどのような判断をするかといった、文脈を含むデータのことです。これらのデータは、インターネット上に自然に存在するものではなく、実際の現場で個人情報やプライバシー、安全性に配慮しながら意図的に収集・整理・品質管理が求められます。
米国や中国では、フィジカルAIやロボティクス基盤モデルの開発に向けたデータ収集ビジネスが急速に拡大しています。ロボットが自律的に動くためには、人が現場でデータを集め、教え、改善する仕組みが不可欠であり、この領域はフィジカルAI時代の重要な社会インフラとなりつつあります。タイミーとジールスは、日本国内における現実世界データ収集の仕組みを構築することが重要であると考え、今回のパートナーシップ締結に至りました。
両者の役割と主な取り組み
タイミーは、多様な現場と働き手をつないできた知見を活かし、現場ごとの業務ニーズに応じたワーカー募集、マッチング、就業機会の創出、業務運用のあり方について検討を進めます。一方、ジールスは、準国産コンパクトヒューマノイド「D1」の開発・導入・運用に関する知見をもとに、フィジカルAIの学習・改善に必要なデータの定義、収集業務の設計、ロボット導入現場で発生する周辺業務の整理を行います。
両社が共同で検討する主な取り組みは以下の通りです。
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フィジカルAI向けスポットワークの設計
D1をはじめとするヒューマノイドロボットの学習・改善に活用するため、現場の作業手順、動作、環境、利用者との接点、人による判断や補助の内容などを収集・整理する業務の設計を検討します。例えば、施設内での案内導線、受付対応、物品の受け渡し、利用者からの質問対応、現場スタッフによる補助動作など、ロボットが現実空間で活動するために必要なデータを、スポットワークの形で収集できる仕組みを検討してまいります。 -
データ品質を担保する運用体制の検討
フィジカルAIの学習に活用するデータには、一定の品質や一貫性が求められます。そのため、データ収集業務における作業手順、教育、品質確認、安全管理、レポーティングのあり方を検討します。単にデータを集めるだけでなく、どのような形式で記録するのか、どのような観点で確認するのか、どのように再現性を担保するのかといった運用設計も含めて、ジールスとタイミーが共同で検討を進めます。ワーカーが安心して従事できるよう、関係者間の役割分担や安全管理のあり方を明確にした上で、運用体制を検討してまいります。 -
ロボット導入・運用支援領域でのスポットワーカー活用
データ収集に加え、D1を企業や施設に導入する際の搬入・設営補助、初期運用サポート、利用者への案内補助、稼働状況の確認、現場レポーティングなど、ロボットの社会実装を支える周辺業務におけるスポットワーカー活用の可能性も検討します。ヒューマノイドロボットの社会実装には、ロボット本体の性能だけでなく、導入現場での運用、利用者との接点、トラブル時の補助、改善フィードバックなど、現場側の支援体制が重要です。本パートナーシップでは、こうした周辺業務も新たな仕事の機会として捉え、検討を進めてまいります。
本取り組みにおける業務設計にあたっては、ワーカーの安全確保やプライバシーへの配慮、データ品質の担保、ならびに業務範囲および責任所在の明確化を最優先課題と捉え、適切なガイドラインを定めた上で慎重に検討が進められます。
今後の展望
タイミーは、ロボットを単なる「人の代替」としてではなく、「新たな仕事を生む存在」と捉えています。ジールスとの連携を通じて可能性を探索しつつ、ロボット導入現場で生じるセットアップや簡易保守などの周辺業務を、多様な人が参加しやすい次世代のスポットワークとして設計します。人とテクノロジーが共存・補完し合うことで、働き方の選択肢を広げ、人口減少社会における労働力インフラの実現を目指してまいります。
企業・ブランド概要
株式会社タイミー
「働きたい時間」と「働いてほしい時間」をマッチングするスキマバイトサービス「タイミー」を運営しています。働き手は、働きたい仕事を選ぶだけで、履歴書・面接なしですぐに働くことができ、勤務後すぐにお金を受け取ることが可能です。事業者は、来て欲しい時間や求めるスキルを設定するだけで、条件にあった働き手が自動的にマッチングします。
株式会社ZEALS
ジールスは、AIエージェント、AIアバター、ロボティクスなどの領域で、企業と生活者の新しいコミュニケーション体験を開発・提供しています。ロボティクス領域では、準国産コンパクトヒューマノイド「D1」の開発・導入・運用を通じて、フィジカルAIの社会実装に取り組んでいます。
D1(ディーワン)
D1は、ジールスが開発・提供する準国産コンパクトヒューマノイドです。世界水準の技術・部品を取り入れつつ、AI・制御・組立を国内主導で推進しています。日本の屋内空間に適した設計と、自然な対話、案内、移動、多言語対応、双腕による作業支援を特長とし、医療・介護、製造・物流、ホテルなど、人手不足に直面する現場での社会実装を目指しています。





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