相互RSSサイト様募集中です!詳しくはこちらをクリック

古民家率全国1位の島根で「輪島屋」改修を一般公開、「部分移築」による循環型建築の内覧会を開催

スポンサーリンク
スポンサーリンク
スポンサーリンク

社会課題としての空き家を地域資源へ

空撮の集落

2023年の総務省「住宅・土地統計調査」によると、全国の空き家は約900万戸に達し、空き家率は13.8%と過去最高を更新しました。島根県では空き家率が17.0%とさらに高く、同時に、1950年以前に建てられた古民家の割合は7.7%で全国1位です。県内には約2万戸の古民家が残る一方、この5年で約4,000戸が取り壊されています。良質な古材や時代を重ねた手仕事の痕跡が、空き家問題として処理される中で廃棄物として失われている現状があります。

「解く(TOKU)」は、空き家を単なる問題としてではなく、地域に蓄積された資源として捉え直しています。解体される建物から古材を救い出し、時間の蓄積ごと次の事業空間へ引き継ぐ「更新」の実践を、工事のさなかの輪島屋の現場で公開することで、空き家を地域資源へ転換する試みです。

スポンサーリンク

「本物」とは何か ― 内覧会開催の理由

日本家屋と庭
日本家屋と犬

「解く(TOKU)」が考える「本物」は、更新の積み重ねにこそ宿るといいます。古民家などの伝統的建築については、「保存」か「解体」かの二択が議論されることがありますが、その二択ではない道を模索し、実践しています。建築を、今の暮らしや使い方に応じて更新し続けること、その更新の積み重ねが「本物」を生むという考え方が、輪島屋の改修で実践されています。

かつての日本では、家は地域の人々が集まって自分たちの手で直し、更新しながら住み継いでいく文化がありました。輪島屋で行われているのは、その「更新」を現代の事業空間づくりとして実践することです。

改修を主導するのは、鷺浦を拠点とする作り手、ワイルズ一(はじめ)氏です。出雲市出身で、アメリカでデザインと木工を学び、帰郷後は伝統技術と融合した空間づくりを実践してきました。故郷を一度離れたからこそ見えた地元の文化の価値を、建物の更新という形で次の世代に手渡そうとしています。

ワイルズ一氏

ワイルズ一氏は、「僕が育った出雲の集落では、家を直すとなれば大工仕事のできる地域のおじさんたちが集まって、自分たちの手で直すのが当たり前でした。地元の祭りの笛の音は、地域に受け継がれてきたものなので、西洋音階の楽譜で表せない、そこにしかない音になっています。だからこそ続いてきた。建物も同じだと思います。育った環境から受けた影響を素直に形にして、更新を続けていく、その先に『本物』が生まれます。アメリカで暮らして、外から自分の故郷を見たことで、そのことに気づきました。完成した建物より、つくっているさなかのほうが、きっと面白いはずです。」とコメントしています。

スポンサーリンク

輪島屋とは ― 空き家×空き家のドッキングで生まれた空間

輪島屋の再生では、島根県江津市黒松の空き家2棟を手作業で解体(手解体)し、瓦・建具・天井ユニットなど多数の古材を傷めずに取り出して、鷺浦の輪島屋へ部分移築しました。「解く(TOKU)」はこれを「空き家と空き家のドッキング」と呼んでいます。明治・昭和初期・現代の建材が一室に共存し、新旧の重なりがそのまま空間の魅力となっています。

なかでも中心となるのは、日本海を望む個室風呂です。解体した住宅の風呂の天井(からかさ天井ー寄棟状の板張りに中央の煙出し)を、ほぼ同じ意匠で部分移築しました。屋根瓦は切り出して床タイルに、古材は建具へと姿を変えています。

からかさ天井のフレーム
リノベーション中の浴室
木桶風呂からの絶景
和モダンな木製浴槽

スポンサーリンク

なぜ今、工事のさなかに公開するのか

「保存か解体か」という二項対立を超えて

日本では、古民家をはじめとする伝統建築をめぐって「保存か解体か」の二択が繰り返されています。「解く(TOKU)」が提案するのは第三の道、古民家や土蔵を「更新する」ことです。蓄積された時間を活かしたまま、空き家やそこで使われている建材を、事業者の希望を取り入れて実用できる店舗・宿・サロンへと再生します。古民家率が全国の25年先を進むといわれる課題先進地・島根から、その実践モデルを発信します。

「工事中に公開する」理由

「解く(TOKU)」は、古民家の活用を検討する事業者に「本物の情報」を届けるために、あえて完成前に内覧会を実施します。改修の過程こそが、古材の活かし方・手仕事の質・空間づくりの考え方を伝える、最もリアルな場だからです。

当日ご覧いただけるものとして、以下の点が挙げられています。

  • 「昭和の内装剥がし」の現場:壁紙や石膏ボード、事務所・学校でおなじみの穴あき天井材。昭和以降に貼り重ねられた内装を剥がすと、その下から古い屋根の裏側や太い躯体が現れます。この「時間の地層」をめくる工程を、実際の現場でご覧いただけます。

  • 再活用する古材の見学:解体材から再活用のために選定した床材や、欅(けやき)の薄板など、これから空間に組み込まれていく材料を手に取ってご覧いただけます。

  • 質の違いの体感:新建材と、時間を経た木材・土壁。写真では伝わらない質感の違いを、同じ空間の中で確かめられる導線が用意されています。

守山基樹氏

株式会社エブリプラン 古民家再価値化事業「解く」プロジェクトリーダーの守山基樹氏は、「私は京都大学助教として伝統的な街並み景観の研究をしてきました。島根に眠る良質な古民家の価値に気づいたことが、故郷にUターンした契機の一つです。その古民家は今この瞬間も、取り壊しとともに失われています。輪島屋でやっていることは、その流れに抗う事業のスタートです。工事の途中を見ていただくことで、古民家を事業空間として活用する具体的なイメージを持ち帰っていただけると思っています。」と述べています。

スポンサーリンク

どんな使い方ができるのか ― 事業空間としての古民家・土蔵

新品の内装では再現できない時間の厚み、太い梁や手仕事の建具がつくる本物の質感など、古民家や土蔵の空間は、それ自体が事業のストーリーを創り出すといいます。

輪島屋で実際に見ていただけるのは、たとえば以下のような使い方の手がかりです。

  • 飲食店:古材の梁・建具・腰壁がつくる内装は、席に着いた瞬間に「この店にしかない」体験につながります。箪笥の表面板を腰壁に、瓦を床タイルにといった素材の転用は、そのまま店の物語になるでしょう。

  • 宿泊:輪島屋自体が一棟貸し宿としての改修事例です。水回り(個室風呂)まで古材で仕上げる方法を、実物で確認できます。

  • 小売・サロン:土蔵の重厚な空間は、商品や施術に「本物の質感」の背景を与えます。

建築スケッチ
古民家風寝室
和風モダン浴室
縁側に座る女性
和室とオーシャンビュー

空き家から部材を移築してテナント空間に仕立てる事例は、輪島屋が「解く(TOKU)」にとって最初の実践です。そのため、図面やイメージパースではなく、実物の現場で具体的に見せることが可能です。当日は、「うちの業態ならどう使えるか」という問いを、担当者と一緒に考える場になるでしょう。

スポンサーリンク

内覧会 開催概要

  • 期間:2026年9月26日(土)〜10月2日(金)

    • 朝の部(9-12時)/昼の部(13-16時)/夕の部(16時以降)
  • 方式:予約制。期間中の希望日時を予約し、作り手が現場を案内します。

  • 会場:輪島屋(〒699-0761 島根県出雲市大社町鷺浦16)

  • 輪島屋 公式サイトhttps://wajimaya.com/

  • 対象:飲食・宿泊・小売・美容など店舗空間を考える事業者、建築設計者

  • 主催:株式会社エブリプラン 古民家再価値化事業「解く(TOKU)」

  • 参加費:無料(要事前申込)

  • 申込方法:下記フォームから事前予約(希望日時をお知らせください。担当者から確定の連絡があります)

スポンサーリンク

「解く(TOKU)」について

解く(TOKU)ロゴ

古民家割合が全国1位の島根から、「消費から、自らつくる暮らしへ」を掲げる古民家再価値化事業です。古民家・土蔵の発掘から、設計・移築・改修・運用までをワンストップで支援しています(土蔵移築ワンストップサービスは全国初)。島根の課題先進地から循環型建築の実践を広げていくことを目指しています。

スポンサーリンク

株式会社エブリプランについて

エブリプランロゴ

1996年設立。「地域の未来への挑戦を支え、輝く地上の星々を共創します」を理念に掲げる、島根県松江市の総合まちづくりコンサルタント企業です。自治体の総合計画や観光振興計画の策定を数多く手掛け、行政計画(ソフト)から、本事業のような現場実装(ハード)までを一気通貫で支援できることが強みです。

スポンサーリンク
スポンサーリンク

コメント

×
タイトルとURLをコピーしました