調査の背景
障がい者雇用は、単に雇用率を達成するだけでなく、「雇用の質」が問われる段階に入っています。2023年には、障害者雇用促進法において、障がい者である労働者の「職業能力の開発・向上に関する措置」が事業主の責務として明記されました。このような状況の中、法定雇用率の引き上げにより新たに対応を迫られる中小企業からは、「何から始めればよいか分からない」「IT業務は専門的で難しそう」といった声が聞かれています。
そこで、株式会社アストンは、障がい者と企業を結びつける就職・定着支援の最前線に立つ就労移行支援員の声を集約し、障がい者のIT就労に関する実態と課題を明らかにすることを目指しました。
調査結果サマリー
この調査では、以下の点が明らかになりました。
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企業が障がいのある方に最も求めるのは「継続的・安定した勤怠」であり、特定の専門スキルは最下位でした。
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しかし、「スキル不問」は必ずしも良いことばかりではなく、企業側の期待値の低さや、障がいのある方がこれまでスキル・経験を積む機会を得にくかった可能性も考えられます。
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現場の支援員が真に必要だと訴えたのは、「入社後に段階的に育つ仕組み」と「キャリアアップの道筋」でした。
企業が「障がいのある方に求めている」もの
企業が求める要件の最上位は「継続的・安定した勤怠」(平均4.84点/5点満点)でした。次いで「自己理解」、「報告・連絡・相談」が続き、「特定の専門スキル」は平均1.94点で最下位です。これは、高度な技術よりも、毎日安定して働き続けられる勤怠や、自己理解・報連相といった「仕事の基本」が重視されていることを示しています。


利用者が「就業先に求める」もの
利用者が就業先に最も重視するのは、「安定した雇用・長く続けられる環境」(平均4.65点)でした。次いで「職場の雰囲気」、「通勤」、「業務の明確化」と続きます。一方、「待遇」は6位(平均3.94点)にとどまり、待遇よりも配慮・明確さ・続けやすさを重視する傾向が鮮明です。企業が求める「安定した勤怠」と、利用者が求める「安定して続けられる環境」は、同じ方向を向いていることが分かります。


企業と利用者のマッチングで「最も難しい」点
マッチングで最も難しいと感じられているのは、「障がいに対する理解」(平均3.92点)でした。企業と利用者の相互理解の不足が、最大の障壁となっているようです。


「コミュニケーションの調整」、「スキルのギャップ」、「業務の理解」、「労働条件」、「待遇」も僅差で続き、マッチングは単一の理由ではなく、複数の摩擦が同時に重なって難しくなっていることが示唆されています。そのため、双方の間に立って相互理解と条件のすり合わせを担う第三者(支援員)の介在が、定着の成否を分ける重要な要素となっています。
支援員の声(自由記述より抜粋)
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「ポテンシャルはあるが、経験がないために選考に進めないこともある。」
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「就労後にスキルを身につけていくような雇用の仕方を増やしてもらえると、チャレンジしやすい。」
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「成長機会やキャリアアップの道筋、それに伴う賃金向上が見えることで、働く意欲や定着率が高まる。」
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「IT就労と聞くと、経験がないから難しそうと尻込みする訓練生が多い。わかりやすい言葉で業務内容を説明してもらえれば、ハードルは下がる。」
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「入社後のミスマッチを防ぐため、短時間・短期間でも職場実習の機会を設けてほしい。」
考察:「入口」を開き、「その先の階段」を架ける
候補者が求める「配慮・明確さ・継続性」と、企業が求める「勤怠安定・自己理解・報連相」。これらの共通解は「明文化」と「段階化」にあると考えられます。スキルへの期待が低い現状を是とせず、入口の業務から始め、働きながら段階的に力を伸ばし、キャリアの階段を上れるような設計に転換することが、低い期待値と機会不足の悪循環を断つ鍵となるでしょう。

株式会社アストンの代表取締役CEO上西龍氏は、今回の調査について「企業も、働く本人も、ともに“長く続けられること(継続)”を求めていたことが最も印象的でした。立場は違っても、目指すものは同じです。そして、その継続を実現する最も近い道は、本人がキャリアを積み、戦力として活躍できるようになることだと、改めて感じています。“簡単な仕事”を用意して終わりにするのではなく、入口の先に成長の階段を用意すること。それが、企業と本人の双方にとって、長く働き続けられる関係につながると考えています」とコメントしています。
調査概要
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名称: 障がい者のIT就労と企業との連携に関する実態調査
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調査対象: 全国の就労移行支援事業所の支援員(現場の専門職)
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有効回答数: 51名(個人単位の回答)
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調査期間: 2026年6月2日 〜 6月18日
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調査方法: Webフォームによる回答(重要度を5段階で評価/構成比を併記)
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設問: 希望業務分野、重視する条件、企業側ハードル、企業が求める要件、マッチング難所、自由記述(全6問)
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留意点: 支援員視点の回答であり、企業・本人の直接回答ではありません。専門家パネルによる定性的傾向として参照されたいとのことです。
会社概要
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社名: 株式会社アストン
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代表: 代表取締役CEO 上西 龍(じょうにし りゅう)
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本社所在地: 埼玉県さいたま市南区根岸3-16-17 神明Ⅲ1F
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URL: https://aston.jp/
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設立年: 1998年6月
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資本金: 1,000万円
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従業員数: 62名(契約社員含む/2025年6月現在)
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事業内容: ITインフラ構築・保守、BPOサービス、人材派遣、業務支援





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