金融DXの推進と生成AIエージェント協創事業
人手不足と業務効率化が喫緊の課題となる現代において、金融機関でも人手依存からの脱却は重要な経営テーマです。バーズ情報科学研究所は、こうした時代の要請に応え、金融機関と大手ベンダーが推進する生成AI(AIエージェント)を活用した協創事業に参加することになりました。
同社は長年にわたり、OCR技術、FAX処理、データエントリーを通じて「紙とデータの橋渡し」を担ってきました。今後は、この経験と、大量の非構造化データを扱うBPO事業で培った現場の知見、そしてSIの実装力を結集し、生成AIを活用した業務自動化の最前線へと事業領域を広げています。
DX統合ソリューション「mojula for kintone」と「FAX+kintone」
2025年10月27日、28日に幕張メッセで開催された「Cybozu Days 2025」において、バーズ情報科学研究所は2つの自社ソリューションを発表しました。
「mojula for kintone」は、AI-OCRとkintoneをシームレスに連携させるプラグインです。紙帳票への手入力作業を、2クリックとAIによる補正・追記だけで完結させ、帳票のデータ化時間を従来の20%に短縮する実績を上げています。手書きや多種多様なフォーマットに対応し、FAX受信データとの連携も可能なオールクラウドサービスであり、「帳票入力業務はAIの添削をするだけ」という新しいワークフローを実現します。
もう一つのソリューションである「FAX+kintone」は、kintoneアプリからFAXの送受信を完結させるクラウド連携ソリューションです。機器・回線・工事・開発が不要で、月額3,000円から導入でき、テレワーク環境でも会社宛FAXの確認・送信が可能です。製造業、医療・介護、金融、不動産など幅広い業種での導入実績を持ち、FAX業務が残る現場のDX推進に貢献しています。
これら2つのサービスは単体でも利用できますが、「mojula for kintone」と「FAX+kintone」を組み合わせることで、FAX受信から帳票読み取り、データ化、kintone登録までを一気通貫で自動化できる点が、同社の強みです。
バーズ情報科学研究所の独自性と安定性
同社の強みは、研究開発企業としての独自性と、SI企業としての強固な顧客基盤にあります。自社開発のOCR技術を活用したBPO事業を展開し、研究開発を進める部署では特許取得にも取り組んでいます。また、大手企業複数社と直接契約を結ぶSI事業により、2つの柱が互いに協力し、企業として安定した状態を維持できる体制を築いています。これらを支える土台が、金融機関向け生成AIエージェント協創事業への参加に象徴されるAI領域への積極的な展開です。
本田祐子氏のキャリアと人材育成哲学
SI事業本部で部長を務める本田祐子氏は、コンピューター知識が全くない状態でバーズ情報科学研究所に入社し、30年間キャリアを築いてきました。売上・請求・入金システムを中心に業務システムの改修・保守を担っています。
「みんなで乗り越える」職場文化
本田氏のキャリアの原点には、入社5〜6年目に経験した大規模な不具合対応プロジェクトがあります。複数の業務システムで発生した不具合に対し、上層部も巻き込み全員でリカバリーに挑んだ経験は、本田氏の仕事観の原点となっています。この「みんなで乗り越える」文化は、現在の生成AI協創事業への挑戦にも受け継がれているといいます。
「5つのサティスファクション」と社員満足度
バーズ情報科学研究所の経営理念「5つのサティスファクション」は、顧客満足を第一としながらも、2番目に社員の満足度を掲げています。本田氏自身も産休・育休を取得し、復職後は時短勤務からキャリアを積み重ねてきました。男性の育休取得者もおり、ワークライフバランスを実現できる環境が整っていることは、30年にわたる人材定着の実績によって裏付けられています。
「小さな失敗」を糧にする次世代育成
現在、本田氏が特に注力しているのは後輩の育成です。IT業界全体の課題である中堅社員の離職問題に向き合う中で、本田氏は「小さな失敗を経験させる」という育成哲学を大切にしています。大きな失敗は避けつつも、小さな失敗を通じて気づきを得てスキルアップできるような環境づくりを心がけているとのことです。
AI案件への「小さく始める」提案
本田氏はAI案件の開拓にも積極的に取り組んでいます。顧客のニーズをヒアリングしながら、「やりたいことがたくさんあっても、短期間で便利になった実績を感じてもらいたい」という思いから、「小さく始めて、まず何が実現できるかを提案する」姿勢を大切にしています。この着実な一歩の積み重ねが、金融機関の大型AI協創事業へと発展した同社の歩みと重なります。
SAJへの期待
本田氏は、一般社団法人ソフトウェア協会(SAJ)について、IT業界内の異業種交流の場として、様々な企業との交流を通じて刺激を得られることを期待しています。同社代表の村瀬氏はSAJで副会長を務めており、バーズ情報科学研究所はSAJのコミュニティが企業の成長と業界の発展に寄与し続けていることを体現しています。
関連リンク
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本企画のインタビュー記事一覧:https://www.saj.or.jp/40th_branding
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SAJ 40周年記念サイト:https://40th.saj.or.jp/
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一般社団法人ソフトウェア協会(SAJ):https://www.saj.or.jp/
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株式会社バーズ情報科学研究所公式サイト:http://www.birds.co.jp/





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