企業が直面する「定年前エンゲージメント低下」の課題
NPO法人SKYが昨年度実施した企業調査では、「役職定年後の中高年男性のエンゲージメント低下」が深刻な課題として浮上しました。具体的には、モチベーションの低下、職場の心理的安全性の低下、生産性の停滞、離職リスクの増加などが挙げられています。多くの企業からは、制度説明型の従来の定年前研修では行動変容が起きず、効果が見えにくいという声が寄せられていました。
2026年にJTBコミュニケーションデザインが実施した『働くシニアのモチベーションと上司からの評価に関する調査』では、「シニアのモチベーションは、定年まであと2年で落ち込む」という結果が示されています。定年まであと2年以下の層でモチベーションが高い人の割合が最も低く、報酬の減額や役割の変化が重なることで、職場での居場所の喪失や人間関係の希薄化、評価への不満、疎外感などがエンゲージメント低下につながることが明らかになっています。

「男のセカンドキャリア塾」で培われた確かな成果
SKYは、中高年男性の孤独・孤立対策として「男のセカンドキャリア塾」を令和5年から実施し、今年で4年目を迎えます。これまでの参加者からは、QOL(生活の質)の向上、地域参加や趣味活動、人間関係の改善といった社会的エンゲージメントの向上、自己肯定感や自己効力感の向上といった心理的変化、そして孤独感への気づきといった確かな成果が報告されています。

中高年男性は「支援につながりにくい層」とされていますが、安心安全な場と心理職による伴走支援により、行動変容が実際に起きることが実証されています。
科学的エビデンスに基づく人的資本経営への貢献
孤独・孤立研究の第一人者である浦光博名誉教授(広島大学/追手門学院大学/JST-RISTEX「孤独・孤立対策」総括)は、昨年度の企業向けセミナーで以下の科学的エビデンスを示しました。
-
中高年男性の孤独・孤立は企業の生産性に影響する
-
孤独・孤立対策は人的資本経営の重要要素である
-
企業が孤独・孤立対策を導入することは「企業価値向上」につながる
このことから、企業が中高年男性従業員を「男のセカンドキャリア塾」のような研修に参加させることは、人的資本経営の実践であり、職場環境改善にも直結することが科学的に示されています。

内閣府採択モデル事業の概要とメリット
今回の内閣府採択事業では、企業の中高年男性従業員が研修に参加することで、エンゲージメントの変化、ストレスチェック指標の改善、心理的安全性の向上、組織の活性度への影響を科学的に検証します。このモデル事業に参加する企業を募集しています。
研修プログラム「男のセカンドキャリア塾」(全6回)
「男のセカンドキャリア塾」は半年間、計12回のコースのうちの6回を体験できます。主な内容は以下の通りです。
-
内省ワーク
-
コミュニケーションスキル向上
-
セカンドキャリア形成
-
男の料理教室
-
地域とのつながり
-
新しい趣味との出会い
登録制となっており、参加者の予定に合わせて受講できます。

1対1伴走支援と効果測定
産業カウンセラーや公認心理師による1対1の伴走支援が提供され、内省と行動変容をサポートします。また、UCLA孤独尺度、ストレスチェック80項目版、エンゲージメント調査による効果測定が行われ、人的資本経営に資するデータが企業へ提供されます。
人的資本経営の“盲点”である中高年男性へのアプローチ
人的資本経営において、エンゲージメント、心理的安全性、キャリア形成、メンタルヘルスは重要指標ですが、中高年男性のエンゲージメント低下は“盲点”となりがちです。本事業は、この盲点に対し科学的エビデンスを用いたアプローチを行います。

中小企業への「2028年ストレスチェック義務化」への備え
2028年から中小企業にもストレスチェック制度が義務化される予定です。本事業では、厚生労働省準拠のストレスチェック80項目版を“疑似体験”として実施し、企業が義務化前に以下の点を理解できるよう設計されています。
-
結果の読み方
-
組織改善への活用方法
-
義務化後の運用イメージ
-
メンタルヘルス対策の基礎
中小企業にとって、義務化前に実践的に体験できる貴重な機会となるでしょう。

転勤者・単身赴任者の孤立予防にも効果的
転勤者や単身赴任者の孤立・メンタル不調が深刻化する中、本事業は「社縁しかない状態」から「地域・社会との多層的なつながり」へ移行する支援を行うため、転勤者の孤立予防にも高い効果が期待できます。

オンライン説明会の開催
本事業の内容を紹介するため、オンライン説明会が以下の日程で開催されます。

日時:いずれも13:30〜15:30の開催です。
-
2026年8月26日(水)
-
2026年9月2日(水)
-
2026年9月9日(水)
-
2026年9月16日(水)
-
2026年9月30日(水)
開催形式:オンライン(Zoom)※顔出し不要・アーカイブ視聴可
説明会で分かること:
-
内閣府モデル事業の概要
-
研修プログラムの詳細
-
1対1伴走支援の内容
-
効果測定の方法
-
他社の定年前研修との違い、など
対象:企業の人事・総務・経営企画部門、孤独・孤立対策に携わる支援者・自治体関係者
参加費:無料(内閣府採択事業のため)
説明会への参加申し込みや詳細はこちらから確認できます。
支援者・自治体の皆様へ
本事業は、以下の活動にも活用可能なツールです。

-
社団・協会・専門職団体:所属会員が企業支援の場面で使える中高年層のキャリア支援・孤立予防モデルとして紹介できます。
-
メンタルヘルス支援会社・研修会社:企業への提案メニューとして、人的資本経営×孤独・孤立対策の実践事例を活用できます。
-
自治体・地域団体:地域の孤独・孤立対策と企業支援をつなぐ官民連携の事例として紹介できます。
実施団体概要

団体名:特定非営利活動法人SKY(エス・ケー・ワイ)
本社所在地:大阪市生野区
代表:藤田公惠・村田早苗・水﨑由美子
事業内容:心理相談事業・心理研修事業・メンタルヘルス不調を未然に防ぐための普及・啓発事業
設立:2019年5月27日
HP:https://esukeiwai.jimdofree.com/
2019年設立のNPO法人SKYは、産業カウンセラーや公認心理師などの専門職が中心となり、心理相談事業、心理研修事業、孤独・孤立対策の普及啓発に取り組んでいます。内閣府の孤独・孤立対策官民連携プラットフォーム、大阪府孤独・孤立対策公民連携プラットフォームに参画しており、令和5~8年度には内閣府「地域における孤独・孤立対策に関するNPO等の取組モデル調査」、令和7~8年度には大阪府「福祉基金地域福祉振興助成金事業」に採択されています。
お問い合わせ:NPO法人SKY(担当:水﨑由美子)
Mail:esukeiwai.info@gmail.com





コメント