AI普及でITエンジニアのストレスが増加、非エンジニア職との「期待のズレ」が顕著に

株式会社キッカケクリエイションは、システム開発に携わるITエンジニア321名を対象に「ITエンジニアの開発メンタル負荷実態調査」を実施しました。この調査により、AIツールの普及が業務効率化をもたらす一方で、ITエンジニアが新たな精神的負荷に直面している実態が明らかになりました。
ITエンジニアが抱えるストレスの実態
最も精神的負荷が高い開発フェーズは「要件定義・仕様策定」
ITエンジニアが最も精神的な負荷・ストレスが高いと感じるフェーズは、「要件定義・仕様策定」が23.4%で最多となりました。次いで「テスト(単体・結合・総合)」が15.0%、「設計(基本設計・詳細設計)」が13.1%と続いています。

ストレスを感じる主な要因は「事前に決まっていたことの変更」
ストレスを感じる主な要因としては、「事前に決まっていたはずのことが途中で変わること」が37.8%でトップに挙げられました。その他、「エンジニア同士で認識がズレていることが後から判明すること」が33.7%、「十分な時間が確保できないまま期限が迫ること」が26.8%と、コミュニケーション不足やスケジュールの問題が大きな要因となっていることが示されています。

自由回答では、「顧客の理解を得られなければ瑕疵扱いで無理な対応を迫られる」や「何も決まっていないのに納期・品質・コストの両立を求められる」といった具体的なエピソードも寄せられています。
スプリント周期では「常に追われている感覚」が最多
スプリント周期の中で最も精神的な負荷が高いと感じるタイミングについては、「常に追われている感覚があり、特定のタイミングに絞れない」が19.6%と最も多く、ITエンジニアが恒常的なプレッシャーに晒されている状況がうかがえます。

AIツール普及がもたらす新たなストレス
AIツール普及後に約4割のエンジニアがストレス増加を実感
AIツール(ChatGPT、GitHub Copilotなど)の業務利用が広がった2025年以降、ストレスが「増えた」と感じるエンジニアは「非常にそう思う」(7.8%)と「ややそう思う」(28.3%)を合わせて36.1%にのぼります。

非エンジニア職からの「もっと早くできるだろう」というプレッシャーが最多のストレス要因に
AIツール普及による新たなストレスとして、53.4%のエンジニアが「非エンジニア職から『AIがあるならもっと早くできるだろう』という期待やプレッシャーを受けること」を選択しました。その他、「AIが生成したコードの妥当性を自分が保証しなければならない責任感」(41.4%)や「AI活用に関する新しい知識のキャッチアップを常に求められること」(30.2%)も上位に挙がっています。

実際に、非エンジニア職から「AIがあるならもっと早く・簡単にできるだろう」という趣旨の発言を受けた経験があるエンジニアは、10.6%が「頻繁にある」、35.2%が「時々ある」と回答しており、合計で約半数に達しています。

自身のストレスや苦労は他職種に「十分に理解されていない」と感じるエンジニアが約半数
自身の職種のストレスや苦労が他職種に十分に理解されていると思うかという問いに対し、「あまりそう思わない」(35.5%)と「全くそう思わない」(10.3%)を合わせて45.8%のエンジニアが、理解されていないと感じていることが明らかになりました。

ITエンジニアのキャリア意向と求める改善点
約4割のエンジニアが「環境を変えて続けたい」と回答
現在の開発業務で感じているストレスの状況を踏まえて、今後もITエンジニアとして働き続けたいかという問いに対し、「環境(会社・現場)を変えて続けたい」が37.7%と最も多く、約4割のエンジニアが現在の職場環境に不満を抱いていることが示唆されます。「できれば離れたい」(15.0%)と「すぐにでも離れたい」(4.0%)を合わせると、約2割がITエンジニア職からの離脱を考えている状況です。

ストレス軽減のために求めるものは「適切な工数・スケジュール設定ができる体制」
ストレス軽減や働きやすさ向上のために求めるものとして、「適切な工数・スケジュール設定ができる体制」が41.7%で最も多く挙げられました。次いで「給与・報酬の改善」(30.2%)、「関係者間の認識合わせを効率化する仕組み」(29.3%)が続いています。

調査のまとめと提言
今回の調査結果からは、ITエンジニアが抱えるストレスの根底には、仕様変更や関係者間の認識ズレといった「コミュニケーション起点の手戻り」が深く関わっている構造が読み取れます。AIツールの普及が業務効率化に貢献する一方で、非エンジニア職との期待値ギャップが新たなストレス源となり、技術人材の定着における課題として浮上しています。
2026年現在、生成AIの業務利用は本格的な「投資対効果」が問われるフェーズへと移行しています。同時に「人的資本経営」の重要性も高まる中、今回の調査は、経営の理想と開発現場の間に潜む「深い溝」を浮き彫りにしました。ツールがどれほど進化しても、上流工程における曖昧な要件やコミュニケーション不足といった根本的な課題を、AIが魔法のように解決してくれるわけではありません。
企業が今、真に向き合うべきは、最新技術への投資だけでなく、それを扱う「技術者への理解」と「適切な工数管理」です。AI時代におけるツールの効果と限界を組織全体で正しく認識し、職種間のリスペクトを伴う開発体制を再構築することが、今後の重要な論点となるでしょう。
本調査の詳細は以下のコラムで確認できます。
https://itrend.kikkakeagent.co.jp/articles/223
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会社概要
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会社名:株式会社キッカケクリエイション
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設立:2020年3月26日
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代表者:代表取締役 川島 我生斗
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所在地:東京都渋谷区桜丘町22番14号 N.E.Sビル N棟3階
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事業内容:ITキャリア支援事業、IT転職映像メディア、ITライフスタイルメディア





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