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AIが日常の手段となる時代の仕事再定義:9つの論点で未来の働き方を考察

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AIが日常の手段となる時代の仕事再定義:9つの論点で未来の働き方を考察

AIが日々の業務に浸透する中で、仕事のあり方が大きく変化しています。リクエスト株式会社は、AIが日常の手段となることで生じる仕事の変化について、9つの論点を図解10枚で公開しました。これは、国内外の公開資料14件と生成AIとの共働経験に基づいた実務考察です。

前編からの問いの深化

前編の資料では、一つの仕事を「目的、事実確認、検討、判断、実行、結果確認」のつながりとして捉え、AIによる「負担軽減、仕事の拡張、品質や周囲の負担の悪化」という異なる変化の方向が整理されました。

今回の続編では、この問いをさらに深掘りしています。AIによって「できること」が増えたとき、個人や組織は「何を仕事として引き受け、どこまでAIに任せ、どのような経験を残すべきか」という、より本質的な問いへの検討を促しています。

本資料は、AIの利用方法だけでなく、仕事を依頼する側、成果物を受け取る側、育成や採用を担う側も、自分たちの仕事の組み方を検討できる内容となっています。

「できること」の増加とその先にあるもの

AIが日常の手段となる状態とは、特別な取り組みとしてではなく、調べる、考える、つくる、比べる、確かめるといった普段の仕事の中で、必要に応じてAIを用いる状態を指します。この変化の中心には、次の3つの区別があります。

  • できることが増えることと、引き受けるべき仕事が増えることは、同じではありません。

  • 支援を受けて成果を出せることと、本人に理解や判断力が残ることは、同じではありません。

  • 組織が効率化することと、働く人や仕事の相手にとって仕事がよくなることは、同じではありません。

これらの視点から、9つの論点が提示されています。

AIが日常の手段になると、仕事はどう変わるのか。【続編】

仕事を組み直す9つの論点

1.取り組める範囲が広がるとき、引き受ける仕事と分担を決め直す

AIの導入により、作業の補完だけでなく、担当する作業の幅の拡大、再編、新しい作業の創出などが報告されています。作業を置き換えることに加え、支援、組み合わせ、新規着手、削減といった観点から仕事の範囲を検討することが重要です。取り組める範囲の拡大を、一人に何でも担当させる理由とせず、何を引き受け、何を他者と分担し、何をやめるかを併せて決めることが提案されています。

仕事の範囲

2.案の数ではなく、見方の違いと、選んだ根拠を確かめる

AIによって多くの案を生成できるようになったとしても、検討が尽くされたことにはなりません。それぞれの案が、どの事実、顧客像、原因の見立て、評価基準に基づいているかを検討することが重要です。また、生成された案の質、採用した判断の適切さ、実行後の有効性を区別して確かめる必要があります。

案をつくる・選ぶ・確かめる

3.情報を得る経路と、その情報から言えることを分ける

「人が集めたから事実」「AIが扱ったから推測」と単純に分けることはできません。実際の相手や記録から取得した情報、その情報をもとにした整理・推論、AIが相手役として示した模擬的な反応では、確認できることが異なります。情報の取得経路が変わっても、確認できたこととまだ推測であることを分け、取得・利用の権限や相手への説明も仕事の一部として扱うことが求められます。

情報取得の経路

4.作成者の時間だけでなく、仕事全体の時間と負担を見る

AI利用による個人の時間節約が推定される一方で、担当作業の量や構成の変化が検出されなかったケースも報告されています。作成者が使った時間に加え、確認、修正、調整、実行を担う他の人まで含めた総投入時間と、依頼から利用可能になるまでの経過時間を分けて捉えることが必要です。

時間と負担

5.育成では、残すべき経験を仕事の中に設ける

AI利用中の成績向上と、その後のAIなしの試験成績が一致しないケースも報告されており、成果を出すための支援と、本人が学ぶための支援を分けて考える材料となります。AIを使わせるか禁止するかの二択ではなく、成果を出すのか、理解や判断を育てるのか、役割に必要な力を確かめるのかを明確にし、本人が事実を読み、比較し、仮説を立て、選び、結果を確かめる機会を仕事の中に残すことが重要です。

育成と経験

6.利用できる機能と、判断・実行できる権限を一緒にしない

AIを使って仕事を検討する人、AIを組み込んだ仕組みを通じて管理される人、AIに実行権限を渡す組織を、異なる立場として捉える必要があります。情報へアクセスできることと、その情報を使って採否を決めたり、対外的な約束をしたりできることは同じではありません。AIに実行まで任せる場合には、実行前に範囲を定め、承認が必要な操作、停止条件、権限の取り消し、誤りが起きた場合の修正・復旧を含めて検討することが重要です。

裁量・管理・委任

7.仕事を始める条件とともに、終える条件を決める

取り組める仕事や検討できる案が増える場合に、何を満たせば終了するか、追加の検討が判断を変える可能性はあるか、何が起きたら再検討するかも決めることが提案されています。生まれた余力をすべて追加業務に充てることだけが選択肢ではなく、負担軽減、休息、品質の安定、学習、新たな試行への配分も考慮に入れるべきです。

始める条件と終える条件

8.個人の成長と、雇用・需要・便益の変化を分けて捉える

個人ができるようになったこと、その仕事をできる人の数、その仕事への需要、生まれた便益の配分は、別々に検討する必要があります。効率化を、未対応の需要への展開、品質の向上、負担軽減、採用や配置の見直しのどこにつなげるかを検討し、若手が事実に触れ、判断し、結果を確かめる入口をどこに設けるかも考えることが重要です。

能力・需要・配分

9.何を変えたのかを明らかにしてから、ビフォー/アフターを比べる

AIの利用が変われば、効果の比べ方も見直す必要があります。同じ成果を少ない負担で得たい場合と、これまで行わなかった仕事を試したい場合を分け、AIの導入と同時に仕事の順序、分担、確認方法を変えた場合、その変化をすべてAIの効果として扱わないことが重要です。何を変え、何と比べ、誰のどの結果を、いつ確かめたかを明確にすることが求められます。

比較のしかた

九つの論点を日々の仕事で活用する

これらの論点は、すべての仕事で毎回詳しく点検したり、新しい帳票を増やしたりするためのものではありません。一つの仕事について、何を実現したいか、何を守る必要があるかを明確にした上で、変更する範囲に応じて、目的と終了条件、担当範囲と委任、根拠と未確認事項、残す経験、比較と結果確認、便益と負担の配分を既存の依頼文や業務記録に残すことが推奨されています。

AIを使う人だけに努力を求めるのではなく、必要な確認と判断ができる仕事に組み直すことを目指しています。

私たちはAIと何をつくっていくのか

本資料では、人とAIの役割を「人が目的を決め、AIが方法を考える」と固定せず、最初に置いた目的や原因の見立ても、AIとの対話と現実の確認を通じて見直す対象としています。

AIでできることを増やすだけでなく、その可能性を「誰のどのような状態のために使うのか」「何を引き受け、どこまで任せ、何を人と組織に残すのか」という問いかけを通じて、仕事、経験、組織、そして働く機会をどうつくっていくのかを考察しています。

公開資料の構成

本資料は、続編の要旨1枚と九つの論点9枚で構成されています。基礎となる全文解説は全22ページで、各論点の背景、比較表・確認表、参照方法と限界、参照資料14件が収録されています。

対象は、文章作成、調査、分析、企画、対話などに用いる生成AIと、情報取得・業務システムの操作を組み合わせた利用です。特定の国、企業、課題、利用者、AIで得られた結果を、日本のすべての職場や現在利用できるすべてのAIにそのまま適用することはできません。

組織行動科学®について

リクエスト株式会社は、980社・33.8万人の働く人のデータを基盤に、組織行動科学®の研究・教育開発を行っています。組織行動科学®は、組織で働く人の思考と行動が「なぜ起こり、なぜ続くのか」を、事業環境、歴史、経験から明らかにし、より善く再現するための研究・実践体系です。

組織行動科学

リクエスト株式会社について

リクエスト株式会社は、組織行動科学®を基盤に、企業で働く人の行動、判断、経験形成、組織学習に関する研究と実践支援を行っています。代表取締役の甲畑智康氏は、東京藝術大学美術学部卒業後、人材育成・組織開発に20年以上携わり、AI時代の「判断デザイン」「判断経験設計」「判断構造設計Pro」の体系化を進めています。

リクエスト株式会社について

公式サイト:

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