AI活用を「個人技」から「会社の仕組み」へ
生成AIを社内に導入しても、活用方法が個人に委ねられたままでは、利用頻度や成果が社員一人ひとりの習熟度に左右されることがあります。エクスペリサスは、一人の社員が見つけた効果的な使い方を全社で再利用でき、誰が使っても一定の品質で業務を進められる状態を目指しています。そのために、以下の3つの仕組みを整備しました。
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全社員がAIを使える環境を整える
開発職や特定部門に限定せず、経営陣を含む全メンバーを研修対象とし、AIエージェントを実行できる環境(端末設定・認証・セキュリティ)を全社共通で整備しました。「使える人だけが使う」状態を作らないことを最初の条件としています。 -
業務ノウハウを「スキル」として全社共有する
社員が自分の業務でうまくいった手順を「スキル」として蓄積し、全社の共有基盤に登録・検索できる仕組みを構築しました。従来のマニュアルと異なり、人が読んで手順を再現するのではなく、他の社員のAIがその手順を実行できます。これにより、一人が見つけた業務改善を、他の社員もすぐに再利用できるようになっています。
2026年8月末時点で、45名が計743件のスキルと127体の業務別AIエージェントを登録しており、登録者の多くは非エンジニア職だそうです。 -
全社共有のルールをAIが自動で適用する
エクスペリサスのデザインシステム(配色・書体・ロゴ・レイアウト規定)を、AIが参照・適用できる形式に整備しました。これにより、デザイナー以外の社員が資料・ランディングページ・バナーを作成しても、AIがブランド規定を自動的に適用します。これは、制作を一部の専門職だけに依存させず、ブランド規定の確認や修正に伴う手戻りを減らすことを目指しているものです。
導入の背景・目的
エクスペリサスは、全国各地の地域資源を高付加価値な観光コンテンツへと転換し、海外富裕層向けの販路に接続する「製販一体型」モデルを展開しています。コンテンツの開発から手配・販売までを一気通貫で担うため、リサーチ、資料作成、データ加工、確認作業など、小規模ながら日常的に発生する業務が全社に広く存在します。こうした業務は個別にシステム化されにくく、社員の手作業として残りやすい領域です。
そこで同社は、業務ごとに専用システムを導入するのではなく、社員自身がAIに業務手順を教え、そこで得られたノウハウを全社で共有するアプローチを採用しました。
全社研修後のAI活用状況
2026年7月から8月にかけて実施された全社研修には、社員55名および業務委託メンバーを含む計59名が参加しました。対象部門は営業・事業開発、企画・マーケティング、カスタマーサクセス、コーポレート、経営を含む全部門です。研修内容には、AIエージェントの基本操作、自部門業務への適用演習、スキルの作成・共有方法が含まれていました。
研修後の社内Webアンケート(2026年8月20日〜27日実施、有効回答51名)の結果は以下の通りです。
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回答者51名のうち71%(36名)が実際の業務で月に数回以上活用しています。
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非エンジニア職の回答者のうち53%が日常的に活用しています。
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日常的に活用している非エンジニア職の69%が「同じ成果物にかかる時間が半分以下になった」と回答しています。
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実務で活用している回答者の72%が、人が行っていた確認・チェック作業を自動化または半自動化しています。
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実務で活用している回答者の50%が、従来は他部署・エンジニア・外部パートナーへ依頼していた業務を自分で完結しています。
活用によって生まれた時間の使い先として最も多かったのは「業務改善・仕組み化」で、次いで「企画・アイデア創出」でした。生まれた時間が次の業務改善に使われ、その成果がスキルとして全社に共有される流れにつながっているとのことです。
社員から報告された具体的な変化は次のとおりです。
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数日を要していたデータの集計・加工が、短時間で完了するようになった
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表計算の関数知識がなく他者に依頼していたデータ整理を、自分で完結できるようになった
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社内チャットに届く業務依頼をタスクとして自動的に整理し、対応漏れを防げるようになった
今後の展望
エクスペリサスは今後、以下の3点を進める予定です。
- スキル基盤の運用定着:登録されたスキルの品質レビューと、部門横断での活用事例の共有を継続します。
- 社内データ基盤の整備:案件・体験コンテンツ・手配実績などの社内データにAIが安全に接続できる基盤を整え、判断を伴う業務領域への適用を広げます。
- 人が担う仕事への再配分:定型業務から解放された時間を、地域の担い手との関係構築や体験の企画・磨き上げに再配分します。
同社が目指すのは、AI活用の成果が、一部の社員のスキルや習熟度に依存しない組織です。それによって、日本各地の文化の価値を世界へ届ける力を高め、100年先へ文化が受け継がれる仕組みづくりを推進していくとのことです。
エクスペリサスについて
エクスペリサスは、「100年先へ、文化が受け継がれる『仕組み』を創る。」をパーパスに、持続可能な観光による地方創生に取り組む企業です。日本各地の文化・自然・食・工芸などを高付加価値な旅・体験として企画・造成し、国内外へ販売する製販一体型のビジネスモデルを展開しています。
海外富裕層向けのインバウンド事業を中心に、国内富裕層向け事業、法人向け事業(BtoB)、官庁・自治体向け事業(BtoG)を展開しています。体験開発にあたって地域の皆様との連携を一層促進するため、2026年4月に福岡営業所、同年6月には京都サテライトオフィスを開設しました。
世界的なラグジュアリートラベル・ネットワークであるSerandipians、Virtuosoに参画し、直接・間接を含む世界約6万社の富裕層向け旅行会社ネットワークを有しています。また、独自に企画・造成した旅や体験を提供する招待制サービス「xperisus.com」を運営。全国各地で毎年数百件の高付加価値コンテンツを創出し、日本各地の価値を世界の旅行者へ届けています。
詳細はエクスペリサス株式会社のウェブサイトをご覧ください。
<会社概要>
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会社名:エクスペリサス株式会社
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設立:2017年1月
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代表取締役:丸山 智義
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所在地:東京都渋谷区渋谷1-15-12 LAIDOUT SHIBUYA
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主な事業:高付加価値体験の開発、販売、訪日富裕層市場におけるBtoBプラットフォームの提供





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