主要な経営課題とIT責任者の関心テーマ
企業が抱える主要な経営課題として、「収益性の向上」(82%)、「生産性の向上」(79%)、「コスト削減の実現」(69%)が上位を占めました。この結果から、利益拡大と業務効率化の両立が大企業にとって重要な経営テーマであることが分かります。
IT責任者は、「AIを活用した業務プロセスの変革」(72%)、「サイバーセキュリティ対策の強化」(69%)、「新技術(生成AI等)の探索・導入」(62%)に高い関心を示しています。運用・保守にとどまらず、経営課題の解決に直結するIT部門の役割が求められていることがうかがえます。
IT戦略の経営戦略への位置づけ
IT戦略が経営戦略の中にどのように位置づけられているかを尋ねたところ、IT戦略が経営戦略内に位置づけられている企業は全体の過半数にあたる54%に達しました。一方で、IT戦略が経営戦略と個別に位置づけられている企業は38%、IT戦略そのものが明示されていない企業も8%存在しています。この結果から、経営戦略に対するIT戦略の位置づけには、企業ごとの差があることが分かります。

IT予算の増額傾向と重点投資領域
2026年度のIT予算の見通しは、2025年度との比較で「111%〜125%」が31%で最も多く、全体としては増額を見込む企業が中心です。

企業属性別にみると、IT戦略を経営戦略内に位置づけている企業は、「111%〜125%」の増額を見込む割合が43%で最も多く、より積極的にIT予算を増額する傾向が見られました。一方、IT戦略が経営戦略と個別に位置づけられている企業では、「106%〜110%」が最多であり、「100%(昨年同額)」も27%を占めています。

2026年度にIT予算の増額を見込む企業において、増強が予想される項目を見ると、「セキュリティ関連」と「生成AI」がともに67%で最も高く、次いで「クラウド基盤・クラウドサービス」が56%となりました。2026年度のIT投資は、セキュリティなどの守りの領域に加え、活用拡大が進む生成AIを中心に組み立てられていることが分かります。

IT戦略の位置づけ別に重点投資領域には違いが見られます。「セキュリティ関連」は、IT戦略を経営戦略内に位置づけている企業では69%であるのに対し、経営戦略と個別に位置づけている企業では50%でした。一方、「クラウド基盤・クラウドサービス」の場合、IT戦略を経営戦略内に位置付けている企業が44%にとどまったのに対し、IT戦略が経営戦略と個別に位置づけられている企業は75%に達しています。

IT施策の展開範囲
自由記述回答を比較すると、IT戦略を経営戦略内に位置づけている企業では、顧客IDの共通化やDX教育、基幹刷新を全社活動として推進するなど、複数部門・複数業務をまたぐ標準化・共通化・全社展開を伴うIT施策が展開される傾向が見られました。一方で、IT戦略が経営戦略と個別に位置づけられている企業では、特定の業務・機能・テーマを対象とした取り組みとなる傾向が確認されています。

IT責任者の高い関心テーマ
IT責任者の関心テーマをみると、「デジタル技術・AIを活用した業務プロセスの変革」(72%)、「サイバーセキュリティ対策の強化」(69%)、「新技術(生成AI等)の探索・導入」(62%)、「経営戦略と整合したIT戦略の策定・推進」(54%)が上位に挙がりました。IT人材・組織変革や基盤刷新に関するテーマにも一定の関心がみられ、人材・組織やシステム基盤の見直しにも関心が広がっていることがうかがえます。

調査概要とIT Foresightについて
本調査は、サイボウズ株式会社を主体とし、株式会社ビザスクがインターネット調査で実施しました。調査期間は2026年1月16日から1月22日、対象は従業員数1,000名以上の企業で、情報システム部門を管掌する取締役・執行役員または情報システム業務に関与する部長職のいずれかに該当する方です。有効回答数は39名でした。
サイボウズ株式会社が運営するオウンドメディア「IT Foresight」では、急速な変化が続く経営環境のなか、テクノロジーを経営戦略と結びつけ、組織全体で実行する視点に役立つ知識を発信しています。





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