人事部門における人員不足と予算の現状
調査によると、労務と海外人事以外の機能において、半数以上の企業で人員不足を感じていることが明らかになりました。特に人事企画では「足りていない」という回答が2割を超え、他の項目と比べて不足感が強い傾向にあります。この不足感は過去の調査と比較しても同様の傾向を示しています。

人事部門の費用については、約3割の企業が人件費やITシステム費の不足を感じていると回答しています。一方で、外注費に関しては6割強の企業が適切だと感じており、費用対効果を実感しているとみられます。昨年度と比較すると、人事部門の予算総額およびITシステム費は増加傾向にあることが示されています。

アウトソーシングの動向とITシステム導入状況
人事業務のアウトソーシング状況では、「育成・研修」を除き、7割以上の企業が業務を内製化しています。「育成・研修」はアウトソーシングを検討・実施している割合が比較的高くなっています。過去調査と比較すると、全体的にアウトソーシングの実施割合は減少傾向にあり、外注費が人事機能のアウトソーシングよりもシステム投資に使われていると考えられます。

人事部門でのITシステム利用状況を見ると、勤怠管理と給与計算システムは8割以上の企業で利用されています。人事基幹システムは約7割の利用率です。

経費精算システムの利用割合は約1割減少し、その分利用していない割合が増加しています。マイナンバー管理システムは利用割合が増加傾向にあり、業務対応の強化が図られていると推測されます。

人事評価・タレントマネジメントシステムの利用割合は増加傾向にあり、この領域の必要性が高まっていることがうかがえます。一方で、採用管理や教育・研修管理システム/LMSは横ばいの結果となっています。人材開発への投資が減少傾向にあることから、タレントマネジメント領域へ選択と集中が行われていると考えられます。

RPAの「利用していない」割合は増加傾向にあり、RPAによる業務効率化がある程度落ち着いていることがうかがえます。BIツール・AI-OCRでは「利用している」が微減した一方で「検討している」が微増しており、引き続き導入フェーズにあると考えられます。

生成AIの導入とDX・BPRへの取り組み
人事部門における生成AIの導入状況では、すでに4割以上の企業が生成AIを導入しており、約3割が検討中と回答しています。第2回調査と比較すると、導入済み企業が約1割増加しており、今後も導入拡大が見込まれるでしょう。

DXへの取り組みは6割弱の企業で行われていますが、前回よりも「取り組んでいる」の割合が減少し、「やや取り組んでいる」の割合が増加しています。BPR(ビジネスプロセス・リエンジニアリング)に取り組む企業は3割弱に留まり、最小限のプロセス見直しでシステム標準機能のベストプラクティスを採用するDX化が主流となっているようです。

従業員のWell-being向上とオンボーディングの課題
全社のWell-being向上に向けた取り組みについては、上場企業が未上場企業よりも2割以上高い割合で積極的に取り組んでいます。一方で、「採用者・異動者のオンボーディング」への取り組みは約4割と、他の支援と比較して課題が残る状況です。

調査結果の詳細と今後の展望
今回の調査結果の詳細は、パーソルワークスイッチコンサルティングのウェブサイトで公開されています。以下のリンクから詳細レポートをご覧いただけます。

パーソルワークスイッチコンサルティング株式会社 コーポレート統括本部 経営戦略部 部長の粥川 泰地氏は、今回の調査結果について「近年、生成AIをはじめとしたテクノロジーの進化により、企業経営は“AIネイティブ時代”へと大きく舵を切りつつあります。人事領域においても例外ではなく、日々発生する膨大な事務処理や定型業務はAIが担い、人はより高度な意思決定・創造性・組織開発に集中するという構造変化が加速しています。このような変化は、人事部門の人数構成や役割、さらには予算配分そのものの見直しを迫る大きな転換点と言えます。」とコメントしています。

パーソルワークスイッチコンサルティングは、今後もベンチマーク調査を継続し、はたらく人と組織の未来をデータで支える存在として、価値ある指標や情報を提供していく方針です。同社の人事コンサルティングに関する詳細もウェブサイトで確認できます。





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