導入の背景と目的
フローレンスは「こどもたちのために、日本を変える」という理念のもと、訪問型の病児保育や障害児保育、看護、認可保育など多岐にわたる事業を展開する認定NPO法人です。組織が急拡大する中で、WordやExcelで作成された業務マニュアルの更新管理が滞り、現場では口頭説明による業務品質のばらつきや属人化が課題となっていました。
障害者雇用チーム「オペレーションズ」は、障害のあるスタッフ11名で構成され、総務業務のほか、各事業部からの業務依頼を請け負っています。このチームは「依頼元の部署にどれだけ時間を創出できたか」をKPIとして運営されています。保育士や看護師といった専門職から事務や清掃などの付随業務を切り出し、オペレーションズが担当する取り組みが進められていましたが、文字中心の既存マニュアルでは、障害のあるスタッフが自律的に業務を遂行することに限界がありました。これらの課題を解決するため、Teachme Bizの導入が決定されました。
主な活用方法
Teachme Bizは、オペレーションズ向けの業務マニュアルとしてだけでなく、全スタッフが日常的に参照する情報インフラとしても活用されています。
-
「画像メイン・テキスト最小限」によるユニバーサルデザインなマニュアル作成
誰でも作業内容を理解できるよう、画像を中心にテキストを最小限にしたマニュアルを作成しています。例えば、保育園の清掃業務マニュアルでは、何をどのように拭くのかを写真で具体的に示すことで、言語理解の特性にかかわらず、誰もが高い衛生基準を維持できる仕組みを構築しています。
-
請負業務の遂行とマニュアルセット納品
オペレーションズが新しい業務を請け負う際、その手順をTeachme Bizで標準化し、マニュアルを「納品物」として依頼元の部署へ提供する運用を行っています。この取り組みにより、他部門がTeachme Bizの使いやすさを実感し、自発的にマニュアルを作成してから業務を依頼するという良い循環が生まれています。結果として、Teachme Bizは全社の業務標準を支える共通の情報基盤として定着しました。 -
迷わずに作業マニュアルを確認できる仕組みの構築
業務管理ツールとTeachme Bizを連携させ、管理アプリ上の作業一覧からTeachme BizのマニュアルURLへ直接遷移できる導線を整備しています。これにより、多様な業務を請け負う中でもスタッフが迷うことなく作業に取り組める環境が整えられています。誰が対応しても均一な業務品質が保たれており、依頼元の事業部からも高い評価を得ています。
導入後の効果
-
年間6,000時間超の余力を創出し、コア業務の品質を向上
スタッフの増加に加え、不明点を都度マニュアルに追記する自律的な改善サイクルが定着した結果、オペレーションズが担当する業務カテゴリーは約10種類から40種類超へと拡大しました。創出された時間は、2023年度の2,800時間から2025年度には6,000時間超へと大きく伸びています。保育士や看護師といった専門職もノンコア業務から解放され、本来の業務に集中できるようになったことで、経理業務ミスの減少や残業時間の削減にもつながっています。 -
8年間離職者ゼロの持続可能な職場を実現
「Teachme Bizを見れば、誰かに聞かなくても正解がわかる」という環境がスタッフの心理的安全性を高め、チーム立ち上げから8年間、障害のあるスタッフの離職者はゼロを継続しています。自身の力で業務を完遂できることが大きな自信となり、自ら新しい業務にチャレンジしたいという声も増えています。 -
全社標準のマニュアルインフラとして定着
導入当初は「作成する余裕がない」という現場の反応もありましたが、障害者雇用チームによる成功事例を見た部門がTeachme Bizの活用を始め、同様の成功体験が広がることで、最終的に全社へ波及しました。経営会議で「全社標準システム」と決定された後は、各部門長がマニュアル化率を定期報告する体制も構築されています。現在では2,400件以上のマニュアルが蓄積され、組織の持続的成長を支える基盤となっています。
今後の展望
障害者の雇用数と雇用率は年々増加していますが、実際にどのような業務を任せるとよいか分からない企業・団体が多いのが実態です。フローレンスでは、2026年度から近隣企業からの業務受託のトライアルを開始し、採用や実習生受け入れの伴走支援、清掃や事務業務の業務委託を通じて、「障害者が隣で働く機会」を増やしていく取り組みを進めています。障害者雇用とDXの成功モデル法人として、「障害のあるスタッフとともに働くことは自然なことである」という体験を社会に広めていく方針です。
認定NPO法人フローレンス総務・障害者雇用チームのジョブコーチである和田 直美様は、次のようにコメントしています。「Teachme Bizは、障害のあるスタッフにとっての『心の拠り所』です。画像で視覚的に理解できるマニュアルがあることで、彼らは誰かに頼り切ることなく自律して働けるようになりました。結果として、保育士や看護師がコア業務と向き合う時間を生み出し、支援や組織の質の向上へと繋がっています。『障害のあるスタッフとともに働くことが当たり前である』という体験を社会に広めることで、障害の有無にかかわらず誰もが能力を発揮し、自律的に活躍できる組織モデルを世の中に提示し続けてまいります。」
Teachme Biz導入事例インタビューの詳細は、以下のリンクから確認できます。
Teachme Bizについて
「Teachme Biz(ティーチミー・ビズ)」は、分かりやすいマニュアルの作成から活用・更新までをAIが担う「AIマニュアル」です。動画・PDF・文章からのマニュアル自動生成、文章アシスト、AI検索など、現場のムリ・ムダ・ムラを解消する機能を提供し、現場に余力を生み出すことで、カイゼンが回り続ける状態の実現を目指しています。国内外2,300社以上で活用されており、複数の最新調査で売上金額シェアNo.1を獲得しています。業種や企業規模を問わず、マニュアル作成・現場教育市場のスタンダードとして高く評価されています。
リーンオペレーションについて
株式会社スタディストが提唱するリーンオペレーションとは、業務の「ムリ・ムダ・ムラ」を取り除き、効率化で生まれた余力を「価値強化」に再投資して組織全体の生産性と持続的な成長を実現する、継続的な改善プロセスです。具体的には、業務の可視化・標準化・単純化・徹底化のステップを通じて、筋肉質な組織を目指し、最終的にコア業務に注力できる体制構築を支援します。株式会社スタディストでは、マニュアル作成・共有システム「Teachme Biz」に加え、業務アセスメントやマニュアル作成代行、研修などを組み合わせたハンズオン型のサービス提供を通じて、顧客の生産性向上とリーンオペレーションの実現を支援しています。
会社概要
-
会社名:株式会社スタディスト
-
本社所在地:東京都千代田区神田錦町1-6 住友商事錦町ビル9階
-
拠点:【国内】東京(本社)、名古屋、大阪、福岡、宮崎 【海外】タイ(バンコク)、ベトナム(ホーチミン)
-
事業内容:マニュアル作成・共有システム「Teachme Biz」を含む「Teachmeシリーズ」の展開、生産性向上に関するコンサルティング、企業研修事業等
-
創業:2010年3月19日
-
資本金:10,320万円(資本準備金含む)






コメント