人事のキャリア実態調査:希望外配属から見出すやりがい
2026年5月28日、株式会社テックビズは全国の人事経験者500名を対象に「配属・キャリアに関する意識調査」の結果を発表しました。この調査は、新卒一括採用や総合職採用が根強い日本において、「配属ガチャ」という言葉に象徴されるように、入社後の配属が個人のキャリアや満足度に与える影響が大きい現状を背景に実施されました。特に、企業成長を支える専門職である人事のキャリア実態に光を当てています。
約6割が希望外配属、それでも7割以上がやりがいを実感
調査結果によると、人事部門に初めて配属された際、「希望していなかった」「どちらかというと希望していなかった」と回答した人は59.2%に上り、約6割の人事が希望外の配属であったことが判明しました。

しかし、希望外配属だった人事に「人事の仕事にやりがいを感じていますか?」と尋ねたところ、「感じている」「どちらかというと感じている」と回答した人は合計で70.3%に達しました。この結果は、配属当初の希望とは裏腹に、実務経験を通じて人事職の魅力ややりがいを見出すケースが多いことを示唆しています。
やりがいを感じる具体的な理由としては、「人や組織の成長に関われる」(55.7%)が最も多く、「経営に近い立場で組織全体に影響を与えられる」(39.6%)、「幅広い業務経験・スキルが身につく」(34.6%)が続きました。

過半数がキャリア継続を希望する一方、将来像は不透明
今後、人事領域でキャリアを築きたいと考える人は60.0%と過半数を占めており、人事という仕事への納得感や継続意向が高いことがうかがえます。

一方で、「人事領域でどのようなキャリアを築きたいか具体的にイメージできていますか?」という質問に対しては、33.4%が「できていない」「どちらかというとできていない」と回答しました。仕事へのやりがいは高いものの、具体的な将来像を描けていない人事が多い現状が浮き彫りになりました。
キャリア形成の壁:ロールモデル不足とスキルの汎用性への不安
キャリアの具体的なイメージができない理由としては、「ロールモデルが見つからない」(31.1%)、「自分のスキルがどの程度通用するか分からない」(26.9%)、「経験業務の幅が狭く想像つかない」(19.2%)が上位に挙げられました。人事職は担当領域が細分化されることも多く、社内で自身の専門領域以外のキャリアパスや成功事例に触れる機会が限定的であることが、将来像を描きにくい要因になっている可能性があります。

しかし、次のキャリアステップとして興味があるものには、「転職」(27.6%)、「副業」(24.2%)、「フリーランス」(14.6%)、「起業」(12.0%)が挙げられ、社外での経験や他社との接点に関心を持つ人も一定数存在することが示されました。社外との接点がキャリアの選択肢を広げるきっかけとなる可能性が考えられます。
フリーランスという選択肢:認知は進むも、踏み出すには障壁も
人事職においてフリーランスの働き方を「キャリアアップだと思う」「どちらかというと思う」と回答した人は合計で55.2%に達しました。フリーランスという働き方自体は、人事キャリアの選択肢として認知が進んでいることが分かります。

しかし、現時点で実際にフリーランスとして一歩踏み出した人は5.5%に留まっています。踏み出せない理由としては、「価格交渉や契約手続きへの不安」(47.9%)、「案件を継続獲得できるか不安」(47.9%)、「自分のスキルが通用するか分からない」(37.0%)が上位となり、スキルの市場価値や継続的な仕事獲得への不透明感が独立への大きな障壁となっていることがうかがえます。

人事部門の人手不足が約8割。「人材開発・組織開発」「採用」で顕著
現在の人事部署に人手不足を感じている人は76.4%と約8割に上りました。特に不足している領域としては「人材開発・組織開発」(45.3%)、「採用(新卒・中途)」(44.4%)、「人材マネジメント」(40.6%)が上位となり、上流工程の担い手が不足している実態が明らかになりました。

企業内で人手不足が進む一方で、人事職側では自身のスキルや需要への不安を感じているため、この認識と市場ニーズの間にギャップが存在する可能性があります。これは、企業が社外の専門人材を柔軟に活用する余地が広がるとともに、人事職にとっても社外にキャリアの選択肢が広がる可能性を示唆しています。
専門家の視点:戦略人事としてのフリーランスの可能性
慶應義塾大学大学院 経営管理研究科 講師の岩本隆氏は、今回の調査結果について、「人事経験者の希望外配属者の約7割が人事の仕事にやりがいを感じ、過半数が人事領域でのキャリア継続を希望しているという調査結果は興味深い」とコメントしています。AIなどのテクノロジー進化により、従来の人事業務がテクノロジーに代替される一方で、人事の仕事が経営に直接的な影響を与える戦略的な仕事にシフトしており、それがやりがいを高める要因になっていると分析しています。

また、岩本氏は、米国では戦略的な人事を体系的に学べる機会が多いのに対し、日本では少ない現状を指摘しています。その上で、フリーランスとして戦略人事の経験を積むことは、人事キャリア希望者が将来像を具体的に描けていない現状に対する効果的な解決策になり得るとの見解を示しました。
テックビズの取り組み:人事のキャリア形成を支援
今回の調査では、キャリアの不安を抱える人事担当者が多い一方で、「人事同士で情報交換や相談ができるコミュニティ」(39.2%)や「人事業務に役立つノウハウ・事例を学べるメディア/コンテンツ」(37.4%)へのニーズが高いことも明らかになりました。

株式会社テックビズは、人事職特化のフリーランスエージェントサービス「HRBIZ」を提供しており、採用代行や人事制度設計などの専門領域におけるフリーランス人材の紹介に加え、人材ポートフォリオ設計やHR業務の棚卸しといった人事組織の課題整理も支援しています。
また、人事担当者一人ひとりのキャリア形成支援にも力を入れており、以下のような取り組みを行っています。
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人事担当者同士が交流できるイベントやコミュニティ運営
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フリーランスや副業など多様なキャリアに関する情報発信
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実務に役立つノウハウコンテンツの提供
テックビズは、人事領域における人材課題の解決と、人事職の多様なキャリア形成支援の両面から、人事業界の発展に貢献していく方針です。
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株式会社テックビズは「働き方を変え、世界を変えていく」をスローガンに掲げ、国内最大級のITフリーランス向けエージェント「TECHBIZ」を運営しています。近年はマーケティング、人事、財務経理といったビジネス職のフリーランスと企業をマッチングするサービスにも事業領域を拡大しています。
同社はフリーランスを重要な「人的資本」と捉え、その価値を社会全体で共有する「人的資本の社会的共有」という新概念を提唱し、日本経済全体の活性化に貢献する新たな働き方の創造を目指しています。
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