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女性が地域・年齢・ライフステージにとらわれず活躍する社会へ〜パラレルキャリアという生き方〜

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女性が地域・年齢・ライフステージにとらわれず活躍する社会へ〜パラレルキャリアという生き方〜

2026年7月11日、エール株式会社の代表である美宝れいこ氏が、宮城県大崎倫理法人会女性委員会からの招請を受け、「女性が地域・年齢・ライフステージにとらわれず、自分らしく活躍できる社会へ〜パラレルキャリアという生き方〜」をテーマに講演を行いました。当日は、地域で事業を営む経営者を中心に、男女ほぼ同数の参加者が集まりました。

宮城県大崎倫理法人会 女性委員会主催 美宝れいこ氏特別講演会&ワールドカフェ

講演後の交流会では、地域で長年家庭や家業を支えてきた女性参加者から、「母親としてやってきたことも、家業を支えてきたことも、パラレルキャリアであり、一つのキャリアだと言ってもらえた。今まで当たり前にやってきたことが、自信になりました」という声が寄せられました。

パラレルキャリアは「生き方の掛け算」

本講演では、パラレルキャリアを単なる副業や収入獲得の手段としてではなく、女性が家庭、仕事、地域、家業、学びなど、複数の場で培ってきた経験を社会の中で再評価し、次の役割や仕事につなげていくための考え方として提示されました。

日本では、就業者に占める女性の割合は45.5%に達していますが、管理的職業従事者に占める女性の割合は16.3%にとどまっています。女性が働くこと自体は広がっているものの、意思決定や経営、地域づくりなどの中核を担う機会には、依然として大きな男女差があるのが現状です。内閣府の「令和7年版男女共同参画白書」でも、若い女性が地方から都市部へ転出する傾向や、地域に残る固定的な性別役割分担意識が、女性の選択や地元に戻る際の心理的障壁になっている可能性が指摘されています。

美宝氏は、女性のキャリアを「勤務先や役職、収入の有無だけで評価すること」に課題があると指摘しています。家庭を運営する力、子育てや介護を通じて身につけた調整力、家業を支える中で培った顧客対応や経理、地域活動で築いた人間関係など、女性が日常の中で蓄積してきた経験の多くは、「キャリア」として認識されないまま埋もれていることが多いのです。

今回寄せられた参加者の声は、このような「見えない経験資産」を言語化し、社会的な価値として捉え直すことの重要性を示しました。

講演では、「副業」と「複業・パラレルキャリア」の違いについても解説されました。副業が本業とは別に収入を得る「収入の足し算」であるのに対し、パラレルキャリアは、複数の仕事、役割、所属先、活動の場を持ちながら、自分の経験や人とのつながりを掛け合わせていく「生き方の掛け算」であると説明されています。

会社で得た経験を地域活動で生かす、家庭や家業で培った力を新しい仕事につなげる、地域で築いた人脈を企業や自治体の課題解決に生かすなど、パラレルキャリアは一つの所属先だけにキャリアを依存せず、自分の経験を複数の場で循環させていく考え方です。厚生労働省も、副業・兼業を多様なキャリア形成だけでなく、新たな技術の開発、オープンイノベーション、起業や第二の人生の準備などにつながる働き方として位置づけています。

宮城県大崎倫理法人会 女性委員会主催 美宝れいこ氏特別講演会&ワールドカフェ

女性のパラレルキャリアを阻む「二つの壁」

美宝氏は講演の中で、女性のパラレルキャリアを社会に広げるためには、次の二つの壁を取り除く必要があると伝えました。

一つ目は、「機会と環境の壁」です。女性本人に意欲や経験があっても、挑戦できる仕事、学び直しの機会、相談相手、柔軟な働き方、経験を生かせる場がなければ、活躍にはつながりません。女性個人に努力を求めるだけでなく、企業、自治体、教育機関、地域団体が連携し、学び、つながり、実践できる環境をつくる必要があります。

二つ目は、「思い込みの壁」です。「母親は家庭を優先するべき」「年齢を重ねてから新しいことを始めるのは難しい」「地方では希望する仕事ができない」「家業や地域活動はキャリアとは呼べない」といった社会や組織の思い込みだけでなく、女性自身の中にある無意識の制限を外していくことも必要です。

講演では、「咲く場所を増やすこと」「咲き方を一つに決めないこと」が、女性が自分らしく活躍できるパラレルキャリアの定義であると伝えられました。

女性のパラレルキャリアは社会を救う力になる

美宝氏は、女性のパラレルキャリアが個人の働き方にとどまらず、女性活躍推進、企業の人材戦略、複業推進、地域創生に関わる社会基盤であると強調しました。地方に暮らしながら都市部の企業と仕事をする女性が増えること、50代、60代の女性がこれまでの経験を生かして新たな役割を担うこと、子育てや介護をしながらキャリアを途切れさせずに社会と関わり続けること、地域の女性が仕事や活動を通じて収入、役割、つながりを持つことは、労働力不足や地域の担い手不足に対応するだけでなく、若い世代が地域で生きる選択肢やロールモデルを増やすことにもつながります。

参加した男性経営者からは、「パラレルキャリアの考え方を、社内の人材活用にも取り入れていきたい」との声も寄せられました。女性のパラレルキャリアは、女性だけを対象とした支援施策ではありません。社員が一つの職務や肩書きに閉じることなく、社外活動や地域活動を通じて新しい経験を得ることは、人材育成、イノベーション、定着支援、次世代リーダー育成にもつながる可能性があります。

美宝れいこ氏は、女性活躍というと、何か特別な実績を上げることや管理職になることだけが注目されがちですが、女性たちはこれまで、家庭、仕事、家業、地域など、複数の場所で多くの役割を担い、さまざまな経験を積み重ねてきたと述べています。その経験がキャリアとして認識されず、本人の自信や次の機会につながっていないことが問題であると考えています。

「今回、『当たり前にやってきたことが自信になった』と言っていただけたことは、私にとっても非常に大きな意味がありました。女性一人ひとりに、新しいことを始める力がないのではありません。経験を価値に変える機会や、挑戦できる場が不足しているのだと考えています。地域に住んでいても、年齢を重ねても、子育てや介護の途中でも、自分の経験を生かして社会と関わり続けられる。その選択肢を増やすことが、女性だけでなく、企業や地域、日本全体の力になります」と美宝氏は語っています。

エール株式会社が目指す社会

エール株式会社は、約10年にわたり、女性のキャリア支援、パラレルキャリア・複業推進、リスキリング、コミュニティ運営、自治体や企業との女性活躍事業に取り組んできました。3,000人を超える女性コミュニティを基盤に、女性が「学ぶ」「つながる」「挑戦する」機会を循環させ、経験を仕事や社会参画につなげる女性人材プラットフォームを運営しています。

また、美宝氏は、一般社団法人ウーマンエコシステム官民学共創連盟の共同代表として、自治体、企業、教育機関、メディア、コミュニティなどが連携し、女性が継続的に社会参画できる環境をつくる「ウーマンエコシステム」の構築にも取り組んでいます。

エール株式会社が掲げる長期的な目標は、女性を一方的に「支援される存在」として位置づけることではありません。女性が持つ経験や能力が当たり前に評価され、地域・年齢・ライフステージに左右されずに活躍できるようになり、「女性活躍推進」という特別な言葉や事業自体が必要なくなる社会を目指しています。

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