受賞の背景と独自のアプローチ
エスケイワードは2023年の代表交代以降、「個が輝き、調和を育む器であり続けます。」という経営理念の実現を目指し、組織のあり方を見直してきました。Web制作業界特有の長時間労働や属人化といった課題に加え、二度のM&Aによる組織変化の中で、優秀な人材が離職するという問題に直面していました。同社は、この問題を単なる制度の有無ではなく、制度が機能しない組織構造そのものに原因があると捉え、「見えない檻」と表現される制約を解消するための文化変革に取り組んできました。
この変革において、同社の代表である沢田氏は、社会デザイン学の研究者としての知見を活かし、自社組織を学術的な分析フレームワークで分析しました。これにより、離職や制度不全といった現象を「構造の問題」として可視化し、その知見を経営施策に直接フィードバックする独自のアプローチを採用しています。この方法により、制度がなぜ機能しないのかという本質的な問いまで踏み込んだ施策設計が可能となり、形骸化することなく現場で機能する仕組みとして定着しました。
主な取り組み
エスケイワードでは、以下の3つの主要な取り組みを通じて組織文化の変革を進めています。
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チャレンジCxO制度
等級や雇用形態に関わらず、意志と専門性を持つ人材がCxOとして経営テーマを推進する制度です。2026年からは正式運用が開始され、CCO(Chief Culture Officer)やCLO(Chief Language Officer)が任命されるなど、年齢やキャリアを超えた挑戦の機会を創出しています。 -
理念を日常に接続する仕組み
全社員が携行する「SK book(経営理念・MVV・クレド)」を軸に、以下の取り組みが連動して行われています。-
全社1on1(3年間で580回以上実施)
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ピアボーナス制度(年間21,499件の感謝が交わされる)
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社内報「Sky harmony」(100号到達)
これらの取り組みにより、経営理念が日常の行動へと具体的に落とし込まれ、組織文化として定着しています。
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OPENコンセプトの推進
2026年度の全社方針として「OPEN」を掲げ、以下の3つの領域で組織の開放性を高めることを目指しています。-
Open Culture(対話文化の構築)
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Open Knowledge(知見の公開)
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Open Partnership(外部との共創)
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組織と事業における成果
これらの取り組みの結果、組織と事業の両面で具体的な成果が現れています。

| 指標 | 実績 |
|---|---|
| 離職率 | 12.68%(2024年度)→ 7.04%(2025年度) |
| 月平均残業時間 | 4.4時間 |
| 育休復帰率 | 100%(男性取得実績あり) |
| 売上高 | 約6.7億円 → 約8.0億円(前年比19.4%成長) |
| ピアボーナス件数 | 13,178件 → 21,499件(前年比65%増) |
審査委員会からの評価と今後の展望
審査委員会からは、二度のM&Aを経験した混乱や離職を個人の問題ではなく組織の「見えない檻」として捉え直し、研究知見を経営に接続しながら企業文化を再設計している点が特に高く評価されました。「SK book」、全社1on1、ピアボーナス、社内報を通じて理念を日常行動へ翻訳し、挑戦と相互承認が循環する土壌を整えている点は秀逸であると講評されています。
また、チャレンジCxO制度により、等級や雇用形態を問わず立候補でCxOに挑戦できる仕組みは、キャリアオーナーシップを経営参画機会へ直結させる先進的な実践であり、優秀賞に値するとされています。今後は、この開かれた挑戦機会が外部共創や事業成長にも波及し、再現性のある文化変革モデルとしてさらに進化していくことが期待されています。
CCO(Chief Culture Officer)の荻原明日香氏は、今回の受賞について「特別な取り組みをしたという感覚はあまりありません。社員が日々自然に使っているものを、あらためて言語化し、整理した結果として、今回の評価につながったのだと感じています」とコメントしています。日々の積み重ねが認められたことを喜びつつ、今後はこうした取り組みや考え方を社内だけにとどめず、外部にも広く知ってもらえるようにしていきたいと述べています。また、受賞自体が目的ではなく、これからも新しい取り組みに挑戦し続け、社員にとって良い組織づくりを進めていく意向を示しています。
株式会社エスケイワード 会社概要
会社名:株式会社エスケイワード
本社:愛知県名古屋市東区泉一丁目21番27号 泉ファーストスクエア9階
東京オフィス:東京都渋谷区渋谷1-23-21 渋谷キャスト2階
代表取締役社長:沢田圭一
従業員数:72名(2026年4月現在)
事業内容:企業コミュニケーション支援(ブランディング、Web、DTP、多言語)ほか
URL:https://www.skword.co.jp/





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