製造業の技術者育成とキャリア形成を考えるイベント開催
株式会社Skillnoteは、2026年7月10日(金)に、製造業の技術者育成とキャリアをテーマとしたイベントを開催しました。このイベントには、製造業の技術部門で従業員の管理・育成・配置に携わる方々や、人事・人材開発部門と連携して組織としての育成を検討・推進されている方々、合計32名が参加しました。

開催背景:変化する製造業とキャリアパスの課題
製造業は、製品の高度化・複雑化、開発リードタイムの短縮、多品種少量化による業務範囲の拡大など、かつてないスピードで変化する環境に直面しています。技術者に求められる知識・スキルの水準は高まる一方で、その担い手の確保は年々難しくなっています。この状況において、従来の採用・育成・配置のあり方そのものに変化が求められています。特定のベテラン人材への依存、若手育成の遅れ、優秀な人材の流出といった課題が深刻化する一因として、多くの製造業で従業員に明確なキャリアパスを示せていない状況が挙げられます。本イベントは、これらの課題に直面する組織が、どこからどのように取り組みを始めたのか、その過程と知見を共有することを目的に開催されました。
オープニング講演:Skillnoteが提唱するキャリア設計のステップ
イベントのオープニングでは、株式会社Skillnote カスタマーサクセスDiv. ゼネラルマネージャーの高木孝介氏が登壇しました。高木氏は、新技術分野の拡大や品質・安全要求の高度化により、技術者への要求が高まる一方で、担い手の確保が困難になっているという製造業共通の課題を提示しました。

高木氏は、今回のイベントテーマである「技術者のキャリア形成支援」への取り組みについて、キャリアを等級やポジションではなく「スキルと経験の積み上げ」と捉え直し、長期視点での戦略的な育成が重要であると説明しました。Skillnoteが考える技術者のキャリア設計のステップとして、「スキルの体系化」「スキルの管理」「スキルに基づいたキャリア設計」「キャリアを軸とした育成」の4段階が紹介されました。
基調講演:LightUP代表 矢野健三氏が語る「キャリア自律」
続いて、LightUP代表の矢野健三氏(元デンソー)が基調講演を行いました。矢野氏は、デンソーで電子技術者として設計開発やソフトウェア技術者のキャリア改革に携わった経験を持つ専門家です。

矢野氏は、企業における「キャリア開発」の取り組みの中心は、社員一人ひとりの「キャリア自律」であり、そのゴールは社員が自らの「心理的成功」を目指すことであると説明しました。社会環境の変化により、日本企業の人材戦略は転換期を迎えているとし、短期と中長期の取り組みを連動させ、適切なスキル定義と個人の意識・行動変容を促す動機付けを組み合わせたキャリア開発の重要性を強調しました。
川崎重工業の事例:スキル管理改革による技術者のキャリア形成
「Skillnote」の利用企業講演として、川崎重工業株式会社 航空宇宙システムカンパニー 航空宇宙生産本部 生産企画部 副部長の岩嶋建治氏が登壇しました。川崎重工業は、輸送機器・産業機械・社会インフラの総合重工メーカーであり、航空宇宙システムカンパニーでは民間・防衛向け航空機やロケット部品などを製造しています。

岩嶋氏の講演では、技術者のキャリア形成に向けたスキル管理改革の取り組み背景や、社内を巻き込む方法が共有されました。スキルとキャリアモデルの体系化から、実際のキャリア面談・育成計画の運用づくりに至るPoC(概念検証)の実施プロセスと、その結果についても説明されました。
グループディスカッション:現場の成功と課題を共有
イベント後半では、「キャリア形成の取り組みで実施したことの成功と失敗」をテーマにグループワークが行われ、各グループから出た意見が全体で共有されました。

取り組みとしては、1on1面談を挙げる声が多く、その他にキャリアラダーの作成や組織間でのスキルの共通化に取り組んでいるという意見も見られました。成功したこととしては、「社員自身のなりたい姿が明らかになり、必要なスキルを考えるようになった」「社外も含めたキャリアを考えるきっかけになった」といった声が上がりました。一方で課題として、「1on1が組織の“あってほしい姿”への誘導になっている」「取り組みの継続が困難」「スキルを得るための評価基準の策定が難しい」といった声も共有され、各社が抱える悩みへの共感が随所で見られました。自社の失敗や試行錯誤を率直に語り合う姿が印象的で、活発な意見交換が最後まで続きました。
交流会:部門や企業を超えた意見交換
交流会では、参加者同士が自然と輪をつくり、議論を深めました。グループディスカッションで語られたテーマの続きとして、各社が抱える社員のキャリア開発の悩みや、スキル情報をどう活用していくかといった話題を中心に、部門や企業の垣根を越えた意見が交わされました。
Skillnoteについて
Skillnoteは、製造業において従来Excelなどで管理されてきたスキルマップ(力量管理表)を一元的に管理・運用できるスキルマネジメントシステムを提供しています。また、動画マニュアルの作成から教育効果の分析までをサポートし、効果の高い人材育成と業務標準化を実現する動画マニュアルも提供しています。現場のスキルや教育データがクラウドに登録され可視化が進むことで、スキルデータを活用した計画的な人材育成・人材配置を実現し、技能伝承、多能工育成、即戦力化といったものづくり企業の人材管理に関する課題解決に貢献しています。
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