海外で働く日本人は3.0%に留まる、リモートワーク実態調査が明らかに
2026年3月に実施されたリモートワーク実態調査により、海外で働きながら生活する日本人は全体のわずか3.0%であることが判明しました。この調査は全国の20歳から99歳までの男女1,000人を対象としたスクリーニング調査と、リモートワーク経験者100名を対象とした追跡調査の2回にわたって行われ、日本のリモートワーカーが求めるのは「旅」ではなく「安定した自由」であるという実態が浮き彫りになっています。
「デジタルノマド」のイメージと日本の現実
「デジタルノマド」と聞くと、南国のビーチでノートパソコンを開く姿を思い浮かべることが多いかもしれません。しかし、日本の実態は大きく異なり、安定性と集中力を重視した「在宅ワーク」文化が主流です。一般層の67%がこのライフスタイルに「経験も興味もない」と回答しており、海外でのリモートワークに対する心理的なハードルの高さが示されています。
一方で、リモートワークを経験した人々の間では価値観の変化が明確に見られます。経験者の31%が「自由と柔軟性」を、25%が「ワークライフバランス」をより重視するようになったと回答しています。心理的な障壁は高いものの、それを乗り越えた人々にとっての恩恵は確かに存在すると言えるでしょう。
この慎重な姿勢の背景には、構造的な現実があります。2024年末時点で有効なパスポートを持つ日本人は約17%に留まり、2025年EF英語能力指数では日本は123カ国中96位という結果でした。海外でのリモートワークを検討する前に、「パスポート」と「実用的な英語力」という二つのハードルを越える必要があると指摘されています。
主な調査結果
認知のギャップと価値観の変化
デジタルノマドというライフスタイルに対する全体的な印象では、約3分の2がまだ明確な意見を持っておらず、「どちらでもない」(34.6%)、「わからない」(31.8%)が多数を占めました。これは、拒絶ではなく「よく知らない」段階であると分析されています。

リモートワーク経験者は、未経験者に比べて「自由と柔軟性」や「ワークライフバランス」を重視する傾向が強まっています。しかし、経験者の23%はリモートワークを通じて「安定」の価値を再認識しており、「安心感のある柔軟性」が求められていることが示唆されます。
国内・自宅中心型のリモートワーク
一定期間、海外に住みながらリモートワークをしてみたいかという問いに対しては、否定的な回答が計68.8%に達し、肯定的な回答は計15.6%に留まりました。

リモートワーク経験者の66%は国内のみ、かつ主に自宅で勤務しており、海外のホテルなどで働いた経験があるのはわずか15%でした。これは、日本のリモートワークが国内・自宅中心型である実態を示しています。


海外リモートワークのメリット・デメリットと不安要素
海外リモートワークの最大のメリットについては、「特にメリットはない」が36.4%で最多でした。次いで「自由で柔軟な働き方」(19.6%)、「異文化体験」(19.1%)が続き、「生活費の削減」は5.3%と最下位でした。魅力はコストではなく、柔軟性と異文化体験に集中していることが分かります。

最大のデメリットとしては、「言語や文化の壁」が30.4%で最多でした。次いで「収入や雇用の安定性への不安」(22.2%)が挙げられています。懸念は技術面よりも適応面に集中していると言えます。

不安・怖さを感じる点としては、「病気や緊急時の対応」(46.3%)と「金銭管理や決済」(44.8%)がほぼ同水準で上位を占めました。不安は生活の安全・確実性に集中しているようです。

海外で恋しく感じるものとしては、「日本の食事やコンビニ」(52.2%)が最多でした。経験者は「日本の安全性・利便性」(56.3%)や「カスタマーサービス」(31.3%)を恋しく感じることが予想をはるかに超えていました。

最も向いている人物像としては、「高い語学力を持つ人」(37.9%)が最多でした。職種よりも適応力、自立性、語学力が重視されていることが分かります。

デジタル面での懸念とセキュリティ意識
デジタル面で最も大きい不安は、「安定したネット接続の確保」(28.4%)が最多でした。次いで「特に不安はない」(24.6%)が続きます。

オンラインセキュリティへの対応では、「二段階認証」が37%、「公共の場で重要アカウントにログインしない」が34%、「VPN利用」が30%でした。一方、19%は「特に対策なし」と回答しており、セキュリティ意識のギャップが伺えます。

VPNの利用目的は、「社内システムへの安全なアクセス」(66.7%)が最多で、「公衆Wi-Fi利用時の通信保護」(50%)が続き、業務目的が中心であることが示されています。

経験者の仕事観の変化と課題
リモートワーク経験を通じて仕事観がどう変わったかという問いでは、「自由と柔軟性をより重視するようになった」(31%)、「ワークライフバランスをより意識するようになった」(25%)に次いで、「安定性をより重視するようになった」(23%)が上位に挙がりました。

経験上の最大の課題は、「安定したネット接続の確保」(32%)が最多で、僅差で「仕事とプライベートの切り分け」(28%)が続きました。課題は感情面より実用面に集中していることが分かります。

オフィス外で快適に働くために重要なものとしては、「集中できる静かな環境」(52%)と「高速で安定したネット」(48%)が中核条件として挙げられています。

まとめ
今回の調査結果は、日本の働き方改革における転換点を示しています。個人の自由を求める気持ちと「日本品質」の信頼性へのこだわりがせめぎ合っている状況です。一般層は慎重な姿勢を見せていますが、これは「拒絶」ではなく「現実的な選択肢として未認識」の段階であると言えます。
海外リモートワークの普及を阻むのは、パスポート保有率の低さや英語力の課題といった構造的な問題、根回しや空気を読む文化からの適応といった文化的ハードル、そして病気や金銭管理、安定した通信環境といった現実的な不安です。
構造的、文化的、そして実用的という三つのハードルをいかに乗り越えるかが、現在の3%という海外リモートワーカーの割合を押し上げる鍵となります。日本のリモートワークは、欧米型の「国境を越えるノマド」へと向かうのではなく、自宅を拠点とし、セキュリティと信頼性を最優先しながら柔軟性を取り入れる、日本独自の働き方へと進化していくでしょう。
調査概要
本記事は、Proton VPNの委託により、2026年にセルフ型アンケートツール「Freeasy」を通じて実施された調査に基づいています。
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第1回スクリーニング調査:2026年3月18日実施。日本全国の20歳から99歳までの男女1,000名を対象に、デジタルノマドというライフスタイルへの印象、海外リモートワークへの関心、利点や不安、デジタル面での懸念などを尋ねました。
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第2回フォローアップ調査:2026年3月31日実施。リモートワーク経験のある100名を対象に、リモートワークをした場所、感じているメリットや課題、オンラインセキュリティ対策、VPN利用、リモートワークによる仕事観の変化などを深掘りしました。
男女差については、2標本比率のz検定を用いて検証し、統計的に有意な差(p < .05)が認められた項目のみを報告しています。
Proton VPNについて
Proton VPNは、デジタルプライバシーと自由を重視するユーザーに向けて、オンライン上のプライバシーとセキュリティを守るVPNサービスを提供しています。2014年に設立されたProtonは、個人データの収集を前提とする大手テック企業に代わる、安全な選択肢の提供を使命としています。
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出典について
本記事は、Proton VPNの委託により実施された、2026年の日本国内調査に基づいています。
出典記事:
日本のデジタルノマドは「ビーチ」を目指さない?求めているのは“安心できる自由”
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