AI導入は進むも、現場での使いこなしに課題
調査によると、上場企業の法務部門におけるAI導入率は89.8%に達しており、AI活用が急速に広がっていることがわかります。契約審査・作成、法律リサーチ、議事録作成など、幅広い業務でAIソリューションが活用されています。
作業時間の短縮については、経営層の71%、一般社員の49%が「早くなった・やや早くなった」と回答しており、生産性向上への一定の貢献が認められています。しかし、その一方で、41%の回答者が「AI導入後に1人あたりの業務量が増えた」と答えており、AIによる処理速度の向上を業務総量の増加が上回っている実態が明らかになりました。
さらに、AI出力の手直しに10分以上かかると答えた人は52%にのぼり、「導入はしたが使いこなせていない」現場の苦労が浮き彫りになっています。「ほぼ全員が使いこなせている」と答えたのはわずか32%に留まっており、高い導入率と実用レベルでの定着の間に大きな隔たりがあることが示されています。
経営層と現場の認識に大きなギャップ
今回の調査で特に注目されるのは、経営層・部長クラスと一般社員の間に存在する認識ギャップです。
「法務部門でほぼ全員がAIを使いこなせている」と答えた割合は、経営層が49%であるのに対し、一般社員は23%と、26ptもの差がありました(会社全体では経営層53% vs 一般社員19%、差33pt)。この数字は、経営層が現場のAI活用状況を楽観的に評価している可能性を示唆しています。
また、「AI導入後に業務量が増えた」と感じている割合も、経営層64%に対し一般社員29%と35ptの差があり、職位によってAI導入の影響の受け方が大きく異なることが判明しました。
法務特有の構造的課題が使いこなせない原因に
AIを使いこなせない理由としては、「プロンプトの出し方がわからない」(17.5%)が最も多く挙げられました。次いで「AIが誤情報を出すのが怖い」「自社・業界固有のルールを考慮してくれない」が各15%で並び、使いこなせない理由がスキル、信頼性、適合性の3方向に分散していることが明らかになっています。
法務業務は、一般的な法律知識に加えて、自社の契約ポリシー、業界慣行、過去判例の蓄積など、高度に文脈依存的な専門知識を必要とします。実際に、議事録作成などの定型業務ではAI活用率が高い一方で、契約審査・法律リサーチなどのコア業務ではAIの利用が少なく、汎用AIがこの専門領域に対応しきれていない点が、法務部門固有の課題として認識されています。
その他、「法改正や最新の判例など新しい情報がリアルタイムで反映されていない」(14%)、「社内のAI利用ルールが曖昧で使いにくい」(12%)といった課題も上位に挙がっており、精度とガバナンスの両面での対応が急務であると考えられます。
調査結果の詳細とMOLTONの取り組み
MOLTON株式会社は、この調査結果の詳細と考察をまとめた全17ページのホワイトペーパーを公開しています。ホワイトペーパーは以下のページから無料でダウンロード可能です。
また、法務部門でのAI活用や定着に課題を抱える企業向けに、個別相談も受け付けています。個別相談の申し込みは以下のページから行うことができます。
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調査概要
| 調査名 | 法務部門AI活用実態調査2026 |
|---|---|
| 調査方法 | インターネット調査(外部調査機関による) |
| 調査対象 | 上場企業(プライム・スタンダード・グロース)の法務部門勤務者 |
| 有効回答数 | 206名(経営層・部長クラス 72名/一般社員 134名) |
| 調査期間 | 2026年6月 |
※ 構成比は小数第2位を四捨五入しているため、合計が100%にならない場合があります。





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