「二流路型リスキリング」とは
これまでリスキリングは「高度人材の育成」が中心に語られてきましたが、この研究により、企業の実態はそれだけではないことが判明しました。
具体的には、以下の2つの成長ルートが同時に機能しているとされています。
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プロ文系人材育成ルート(飛躍型成長):少数のエース人材を生み出す成長ルートです。
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プロ理系人材育成ルート(適応型成長):多くの社員が新業務へ適応していく成長ルートです。
この発見は、AI時代における企業変革時の「人材の動き方」を解き明かすものであり、今後の人材戦略の前提を大きく変える重要な知見となります。
研究発表概要
本研究は、2026年度組織学会研究発表大会にて口頭発表されました。
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学会名:2026年度 組織学会 研究発表大会
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開催日:2026年6月20日(土)・21日(日)
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開催校:関西学院大学(西宮上ケ原キャンパス)
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発表形式:口頭発表
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発表タイトル:「事業変革期におけるリスキリングの実態 ―二流路型人材形成―」
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発表者:長内 厚(早稲田大学)、柿内 秀賢、清水 さやか(パーソルイノベーション株式会社)
- 柿内 秀賢氏は2026年4月よりパーソル総合研究所所属です。
研究の背景:リスキリングが機能する仕組みの解明
近年、多くの企業がデジタル化やAI導入に伴う事業変革に直面し、リスキリングへの投資が加速しています。しかし、「どのような人材が変革を担うのか」や「学びがどのように業務成果に結びつくのか」といった根本的な構造は十分に解明されていませんでした。
本研究は、この「ブラックボックス」に踏み込み、リスキリングが機能する仕組みを明らかにすることを目的としています。
分析結果:企業の成長は「2つのルート」で動いていた
2025年10月、大手製造業2社の人事部門を対象に、AI・デジタル化を背景としたリスキリングと人材再配置の実態に関する半構造化インタビューが実施されました。分析の結果、社員のリスキリングを通じた企業の成長は「2つのルート」で動いていることが明らかになりました。
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プロ文系人材育成ルート(飛躍型成長)
新規事業や戦略転換を担う高度人材がリスキリングを通じて成長するルートです。しかし、その数は限定的であるとされています。 -
プロ理系人材育成ルート(適応型成長)
多くの社員は、既存スキルを活かしながら近接領域へ移行し、企業全体の変化を支える「量の成長」を担っています。AI時代に拡大する「中間スキル層」は、AIの普及により出力の検証・調整・管理といった新たな業務が増加するため、高度専門人材だけでなく、一定のスキルで活躍する人材層の重要性が急速に高まっていることが確認されました。
本研究では、企業の人材成長を「少数の高度人材を生み出すルート(プロ文系人材)」と「多数の社員を新業務へ移行させるルート(プロ理系人材)」の2つの流れとして定義し、この2つが同時に進むことで企業の変革が実現されるという構造を、初めて理論として体系化しました。
本研究の意義と今後の展望
これまでのリスキリングは「高度人材育成」という単線的な理解に留まっていました。しかし、本研究により、企業変革は「一部の優秀人材」だけでなく、「組織全体の適応」によって支えられていることが明らかになりました。これは、人材戦略、教育投資、組織設計において大きな転換を迫る重要な知見であると言えます。
今後は、二流路構造と企業業績の関係の定量分析や、自律成長型プラットフォームへの実装を通じて、個人と組織の成長をデータとして可視化・運用できる仕組みの構築を進めていく予定です。
関連情報
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パーソルイノベーション株式会社
パーソルグループの次世代の柱となる事業創造を目的に、2019年4月に事業を開始しました。若年層・未経験者向け転職支援サービス『ピタテン』やドライバーに特化した転職エージェント、求人データベース事業『HITO-Linkエージェント』などを展開し、新たな価値創出を通じて「はたらく」の常識をアップデートし続けています。
https://persol-innovation.co.jp/ -
株式会社パーソル総合研究所
パーソルグループのシンクタンク・コンサルティングファームとして、調査・研究、組織人事コンサルティング、人材開発・教育支援などを行っています。データに基づいた実証的な提言・ソリューションを提供し、人と組織の成長をサポートしています。
https://rc.persol-group.co.jp/





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