リプロライフの課題とAI活用の目的
リプロライフは、生殖医療分野で卵子・胚の凍結保存製品を開発・製造する医療機器メーカーです。同社の業務は専門性が高く、ノウハウが個人に依存しやすい傾向がありました。限られた人員で高品質な製品開発・製造を継続するためには、社員一人ひとりの業務生産性向上が経営課題となっていました。この課題に対し、特定部門だけでなく全社員が日常業務にAIを活用できる組織づくりを目指し、「JAPAN AI」が導入されています。
「全社業務ハック月間」の実施概要
「全社業務ハック月間」は、リプロライフの全社員がAIを活用して自身の部署の業務課題を解決するコンテストです。JAPAN AIはこの取り組みの企画運営を支援しました。参加者は個人またはチームでエントリーし、1か月間で業務フローの整理から解決策の実装、そして発表までを行いました。この取り組みを通じて、以下の3点が目標とされました。
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業務効率化: 社内の情報検索、業務整理、文書作成といった煩雑な作業の時間を削減し、判断を伴うより重要な業務に時間を充てられる体制を構築します。
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ナレッジの共有化: 個人の経験に基づく暗黙知などの情報を誰もがアクセスできる状態に整え、属人化のリスクを低減する環境を構築します。
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AIリテラシーの向上: AIの得意・不得意を理解し、再現性のある使い方(プロンプト設計やRAGの活用など)を全社で習得します。

コンテスト結果
本コンテストには総勢10組がエントリーしました。最優秀賞には、顧客からの問い合わせに対してAIが回答文章を自動生成するAIエージェント「回答メール作成AI」が選ばれました。このAIは、ビジネスインパクト、アイデア、実用性のいずれも高得点を獲得し、「すぐに使える完成度の高さ」と「横展開の拡張性」が特に評価されました。副賞として、賞状と10万円が贈呈されています。
優秀賞には、素案から完成度の高い作業手順書を自動生成するエージェント「作業手順書作成AI」と、薬事申請時の管理業務を改善するAIエージェント「薬事申請管理AI」が選出されました。

このコンテストの企画・伴走支援という新たな試みを通して、AI導入において現場を巻き込む力の重要性が再認識されました。社員一人ひとりが当事者意識を持って取り組むことが、AI活用の定着に不可欠であり、本コンテストはその有効性を示す事例となりました。
今後の展望
JAPAN AIは、「全社業務ハック月間」で生まれた活用事例やプロンプトをリプロライフの社内資産として蓄積させ、引き続き同社におけるAI活用の定着を支援していく予定です。また、この取り組みで得られた知見をもとに、他企業の業務改善支援にも活用していくとしています。





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