副業人材の役割は「経営コア領域」へ
労働力不足が進む中、多くの企業では副業人材を定型業務の代替や一時的な実務支援と捉える傾向がありました。しかし、今回の調査では、副業人材自身がM&A・PMIや新規事業開発といった「経営コア領域」に関与する案件において、従来のコンサルティング会社などと比べて高い費用対効果を発揮していると認識していることが判明しました。さらに、自身の参画が組織の意思決定のあり方やスピードに影響を与えていると感じている実態も明らかになっています。
調査サマリー
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大企業における副業人材の3人に1人が「新規事業開発」に参画しています。従業員数5,000名以上の大企業では、32.9%が「事業開発」を担当していることが分かりました。
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M&AやPMI案件における副業人材の担当領域は、人事評価制度の統合、財務DD、中期経営計画策定など多岐にわたります。
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約6割が、従来のコンサル外注と比較して副業人材は「費用対効果が高い」と認識しています。
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副業人材活用を成功させるために企業に最も求められる変革は、「意思決定プロセスの高速化と外部人材への権限移譲」(24.0%)です。
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副業者が考える、外部プロ人材の力を借りて新規事業開発などに成功する企業の特徴の1位は「外部人材だけの特命チーム組成」(33.0%)でした。
大企業で進む新規事業・変革領域での副業人材活用
副業経験者を対象に、これまでのプロジェクトにおける業務概要を尋ねたところ、全体では「データ入力、リサーチ、マニュアルに沿った定型業務」(29.2%)や「マーケティング・デザイン・システム開発などの専門業務」(26.6%)の回答比率が高くなりました。
一方、副業先が従業員数5,000名以上の大企業だった回答者では「新規事業の立ち上げ、0→1のコンセプト設計、PoCなどの事業開発業務」(32.9%)が最多となり、全体(21.7%)を大きく上回っています。大企業では、既存事業の運営リソースとは切り離し、新規事業や変革プロジェクトをスピーディに推進するために外部のプロ人材を登用する動きが進んでいると考えられます。

また、新規事業開発やM&A・PMIなどの「経営コア領域」の副業プロジェクトへの参画意向について尋ねると、「積極的に参画したい」(28.7%)、「条件次第で参画したい」(51.2%)と、全体で約8割が前向きな姿勢を示しました。特に、従業員5,000名以上の大企業に副業で参画した経験を持つ人材では、「積極的に参画したい」という回答が51.9%と過半数に達し、全体を23.2ポイント上回っています。大企業の戦略プロジェクトに携わった経験を持つ人材ほど、引き続き自身のスキルで経営変革を支援したいという強い意欲を抱いていると考察できます。

M&AやPMIなどに関わるプロジェクトに参画した経験を持つ副業人材への具体的な担当業務の質問では、人事評価制度の統合、財務DD、知財戦略の立案、中期経営計画策定支援など、幅広い回答が寄せられました。この結果から、副業人材が企業経営の中核に関わる重要な役割を担っていることがうかがえます。

高い費用対効果と組織変革への影響
副業経験者に対し、プロジェクトにおいて企業が支払った報酬を従来のコンサル外注費用などと比較した場合の費用対効果について尋ねたところ、「非常に高い」(15.8%)、「やや高い」(41.9%)となり、合計57.7%がコンサルティング会社などへの外注よりも「費用対効果が高い」と感じていることが分かりました。「同程度」(23.0%)を合わせると、80.7%がコンサル外注と同等以上の価値を感じています。高い専門性を持ちながらクライアント企業の内情に合わせて自ら動き、推進する実務家としての副業人材は、コストパフォーマンス面でも価値を発揮していると考えられます。

また、外部人材(回答者本人や他のプロジェクトメンバー)が関わったことで、プロジェクトの成果やスピードがどの程度改善したかを尋ねたところ、「大幅に改善」(17.7%)と「やや改善」(51.8%)を合わせた69.5%が改善を実感しています。

企業の組織や意思決定のあり方に変化がもたらされたと思うかを尋ねた質問では、「大きく変わった」(27.0%)と「やや変わった」(45.9%)を合わせた72.9%が変化を感じていると回答しました。これらの結果から、副業人材の多くが、自身を含む外部人材の参画はプロジェクト推進だけでなく、組織や意思決定のあり方にも影響を与えていると認識していることがうかがえます。

副業人材活用における課題と成功の鍵
副業人材の活用が事業開発や経営コア領域へ広がる一方で、プロジェクト推進における課題について尋ねたところ、「社内のプロパー社員に専門知識がなく、コミュニケーションが噛み合わないこと」(33.8%)が最多となりました。次いで、「プロジェクトの本当の意思決定者(キーマン)が誰だかわからないこと」(28.6%)、「セキュリティやコンプライアンスの制限で必要なデータやツールにアクセスできないこと」(27.3%)が続いています。副業人材が専門性の高い領域で活躍する機会が増える一方、社内メンバーとの認識のずれや情報共有の不足が課題となっているようです。

企業規模別に見ると、従業員5,000名以上の企業に参画した副業人材では、「稟議や承認(決裁)が降りるまでの社内プロセスが長すぎること」を課題として挙げる割合が34.2%となり、全体(25.7%)を8.5ポイント上回りました。大企業では副業人材が新規事業開発などの成長領域で活用される傾向が見られる一方、意思決定に時間を要する組織構造が、プロジェクト推進上の課題としても挙がっています。外部人材の知見や専門性を最大限活かすためには、受け入れ体制の整備に加え、迅速な意思決定を行える環境づくりが重要であると考えられます。

企業が外部プロ人材の力を借りてイノベーションや構造改革を成功させるために最も変えるべきことを尋ねたところ、「意思決定プロセスの高速化と外部人材への権限移譲」(24.0%)が最多となりました。次いで、「社員の発注スキル・巻き込み力(マネジメント力)の向上」(21.0%)、「セキュリティと利便性のバランスの見直し」(20.6%)が続いています。
これらの結果から、外部人材の活用を成功させるためには、単に専門性の高い人材を採用するだけでなく、その知見を活かせる環境を整えることが重要であることがうかがえます。特に、意思決定の迅速化や適切な権限移譲に加え、社内メンバーが外部人材を巻き込みながらプロジェクトを推進するマネジメント力を高めることが、成果創出の鍵になると考えられます。

新規事業やM&Aを軌道に乗せている企業の特徴については、「外部人材だけで構成された、機動力の高い『特命チーム』が組成されている」(33.0%)、「業務委託専用の『セキュリティ制限を緩和した』PCやIT環境が迅速に支給される」(32.9%)といった回答が上位に挙がりました。外部プロ人材を定型作業や部分的なタスクの切り出し先として矮小化して使うのではなく、スピード感を持って権限や環境を移譲し、自律的に動ける「枠組み」を提供することこそが、成功を掴み取るための条件だと言えます。

株式会社lotsful 代表取締役CEO 田中みどり氏のコメント

本調査から、副業人材の活用が従来の実務支援にとどまらず、新規事業開発や経営戦略といった企業の成長に関わる領域へ広がっていることが明らかになりました。特に、従業員5,000名以上の大企業では、副業人材の3人に1人が事業開発領域に参画しており、副業人材が単なる外部リソースではなく、企業の変革や成長を支える重要な存在として期待されていることがうかがえます。また、外部人材の参画によって7割以上が組織や意思決定のあり方に変化があったと回答しており、副業プロ人材が企業変革を後押しする存在として機能していることも示されました。
一方で、活用領域の高度化が進む中、社内メンバーとのコミュニケーションや意思決定プロセスに課題を感じている人が多いことも明らかになりました。特に大企業では、新規事業開発などの成長領域で副業人材が活用される一方で、承認プロセスの長さや意思決定の遅さがプロジェクト推進上の課題として認識されています。副業人材の力を最大限に引き出すためには、人材を採用することだけでなく、迅速な意思決定や適切な権限移譲、さらには社内メンバーによる発注・巻き込み力の向上など、社内外の円滑なコミュニケーションを実現する受け入れ体制の整備が重要です。「lotsful」では今後も、企業と副業人材の最適なマッチングを通じて、新規事業開発や経営課題の解決を支援するとともに、企業が外部人材の専門性を最大限活かせる組織づくりを支援してまいります。
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