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障がい者雇用、約6割が「職域確保」に課題 Works Human Intelligenceの調査で判明

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障がい者雇用、約6割が「職域確保」に課題

株式会社Works Human Intelligenceは、統合人事システム「COMPANY」を利用する大手法人を対象に、障がい者雇用に関する実務運用調査を実施しました。法定雇用率の2.7%への引き上げやAI・RPA(業務自動化ツール)の普及など、企業を取り巻く環境が変化する中で、企業が障がい者雇用の推進においてどのような課題を抱えているのかを明らかにしています。この調査は、2026年4月15日から5月29日の期間に、76法人80名の人事担当者から得られた回答に基づいています。

障がい者雇用の職域確保・拡大に関する意識調査

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調査結果のポイント

今回の調査では、以下の5つのポイントが明らかになりました。

  1. 法定雇用率の引き上げやAI普及を背景に、約6割が「今後の職域の確保・拡大」に課題を抱えています。
  2. 障がいのある従業員が担う中心業務は、依然として「定型業務」です。
  3. AI・RPAの影響について、8割を超える企業が「現時点では影響なし」と回答しています。
  4. 職域確保を阻む最大の要因は「業務創出」であり、本人の特性起点の業務設計はわずか約1割にとどまっています。
  5. 企業が今後強化を目指すのは「定型・サポート業務」です。
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詳細な調査結果

1. 法定雇用率の引き上げやAI普及を背景に、約6割が「今後の職域の確保・拡大」に課題

法定雇用率の引き上げやAI・RPAの普及といった環境変化が進む中、障がい者雇用における職域の確保・拡大について尋ねたところ、「非常に難しくなっている」「やや難しくなっている」と回答した企業は合わせて約6割に達しました。

この結果から、企業には雇用拡大が求められる一方で、障がいのある従業員が活躍できる職域そのものの確保に課題を感じていることがうかがえます。

職域確保・拡大の難易度

2. 障がい者雇用の中心業務は依然として「定型業務」

障がいのある従業員が担う業務について質問したところ、「定型業務」が6割以上と回答した企業が多数(85.2%)を占めました。具体的な業務としては、「事務補助」「データ入力」「書類スキャン」などが多く挙げられ、オフィスにおけるサポート業務が中心であることが示されています。

障がいを持つ従業員の定型業務割合

3. AI・RPAの影響について、8割超が「現時点では影響なし」と回答

定型業務を中心に雇用が進む中で、AI・RPAの活用による影響について尋ねたところ、8割を超える企業が「影響はない」「あまり影響はない」と回答しました。AIやRPAの活用が進む中でも、現時点では障がい者雇用への影響は限定的であることがわかります。

AI・RPA活用による業務影響

4. 職域確保を阻む最大の要因は「業務創出」、特性起点の業務設計は約1割にとどまる

現在の障がい者雇用における課題として最も多かったのは「業務の創出(切り出し)」で61.3%、次いで「現場理解」が48.8%でした。

障がい者雇用の運用課題

また、創出した業務をどのように従業員に割り当てているかを尋ねたところ、「配属先の部署・担当者が主導して業務を割り当てている」と回答した企業が約7割という結果になりました。

創出業務の割り当て方法

約6割の企業が職域確保に課題を感じる背景には、業務創出や現場理解といった実務上の課題があることが明らかになりました。さらに、業務の割り当てにおいて本人の特性やスキルを踏まえて調整している企業は1割程度にとどまっています。個人の特性を可視化し、適切な業務へつなげる「しくみ」や「体制」が追い付いていないという、構造的な課題がうかがえます。

5. 企業が強化を目指すのは「定型・サポート業務」

今後強化したい部門・職種について尋ねたところ、「清掃・軽作業・物流などの現場業務」が36.3%、「サポート業務(庶務・バックオフィスなど)」が30.0%と上位を占めました。多くの企業は新たな職域開拓よりも、まず既存業務の中で活躍機会を広げようとしていることがわかります。

今後強化したい業務領域

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総括:これからの職域確保に求められる「人」と「業務」のマッチング

今回の調査では、法定雇用率2.7%への引き上げやAI・RPAの普及といった環境変化の中で、約6割の企業が障がい者雇用の拡大に向けた職域確保に課題を抱えていることが判明しました。その背景には「業務の創出(切り出し)」や「現場理解」といった実務上の課題があり、本人の特性やスキルを踏まえて業務を調整している企業は約1割にとどまっています。

この結果から、多くの企業では職域確保に向けた取り組みが進められている一方で、「誰がその業務で力を発揮できるのか」という視点は、まだ十分に取り入れられていない可能性があります。実際、職域確保の課題として挙げられたのは業務創出だけではありません。受け入れ側の従業員・管理職の理解や業務とのマッチングも上位に挙げられており、職域確保には業務だけでなく、人への理解も求められていることが示唆されます。

これらの結果を踏まえると、業務内容の整理に加え、本人の強みや希望、必要な配慮を把握し、それらを受け入れ側の従業員・管理職と共有していくことが重要です。人事と現場が対話を重ねながら、「この人ならどのような業務で力を発揮できるのか」という活躍イメージを具体化していくことが、職域設計を進めるうえでの一つのヒントとなります。

実際に、障がい者雇用の職域設計において工夫を凝らしている企業では、採用段階から本人の特性や希望、必要な配慮を把握し、人事と現場が対話しながら役割を設計する取り組みも見られます。例えば、選考段階でのインターンシップや事前面談を通じて本人のキャリア志向や必要な配慮を確認し、相互理解を深めたり、従業員本人の言葉でまとめられた配慮事項をもとに配属先の上司・先輩・同僚と受け入れのすり合わせを行うなど、業務ありきではなく「人起点」でのマッチングが実践されています。

職域確保とは単なる業務の切り出しではなく、「どのような業務があり、誰がその業務で力を発揮できるのか」を結び付けながら役割を設計していく取り組みともいえるでしょう。

法定雇用率の引き上げにより、今後はこれまで以上に職域の拡大が求められます。また、AIをはじめとするテクノロジーの進展により、業務内容そのものも変化していくことが想定されます。こうした環境変化を踏まえると、これからの障がい者雇用では、法定雇用率という数字を達成することだけを目指すのではなく、一人ひとりの特性や希望、必要な配慮を踏まえながら、それぞれが力を発揮しやすい環境を整えていくことが重要です。

障がい者雇用を通じて見えてきた職域設計の課題は、法定雇用率への対応にとどまりません。人と業務をどう結び付け、多様な人材が活躍できる職場をつくるかという、これからの人材マネジメントにも通じるものがあるといえるのではないでしょうか。

WHI総研 角川亜由美

調査概要

  • 調査名: 障がい者雇用の実務運用に関する調査 ― AI時代の職域と業務設計の実態 ―

  • 期間: 2026年4月15日~5月29日

  • 調査機関: Works Human Intelligence

  • 対象: Works Human Intelligence製品「COMPANY」ユーザーである国内大手の人事担当者

  • 調査方法: インターネットを利用したアンケート調査

  • 有効回答数: 76法人80名

Works Human Intelligenceについて

Works Human Intelligenceは、大手企業および公共・公益法人向け統合人事システム「COMPANY」の開発・販売・サポートの他、HR関連サービスの提供を行っています。「COMPANY」は、人事管理、給与計算、勤怠管理、タレントマネジメント等、人的資本マネジメントにまつわる業務領域を広くカバーしており、約1,200法人グループへの導入実績を持つ、ERP市場 人事・給与業務分野 シェアNo.1※の製品です。

私たちは、「人に真価を。」というコーポレートブランドのもと、企業と従業員の両者の価値を最大化するソリューションを提供することで、すべての人が「真価」を発揮し、情熱と貢献意欲を持って「はたらく」を楽しむ社会を実現します。

※2024年度 ERP市場 – 人事・給与業務分野:ベンダー別売上金額シェア
出典:ITR「ITR Market View:ERP 市場 2026」

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