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体内時計に合わせたオフィス照明で事務処理量が約7割の従業員で増加、遠藤照明の実証実験中間報告

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出社回帰で高まる「働きやすいオフィスづくり」の重要性

近年、在宅勤務を縮小しオフィスへの出社を重視する企業が増加しています。働く場所が再びオフィスへ戻る中で、従業員が快適に働き、能力を発揮しやすい環境を整えることがこれまで以上に求められています。従業員の健康や快適さに配慮したオフィスづくりへの関心も高まり、「健康経営優良法人」認定や「WELL認証」などの普及が進んでいます。

しかし、働きやすい環境への投資が生産性や健康にどの程度の効果をもたらすのかが見えにくいことが、導入判断の課題となっています。遠藤照明は、空調や音響などと比べて既存オフィスでも改修しやすい照明設備に着目しました。

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実証実験の概要

本実験は、株式会社イズミコンサルティングの協力を得て、同社オフィスで実施されています。実際に稼働するオフィスの照明を切り替え、同じ従業員を対象に交換前後を比較することで、照明環境の改善が働く人の生産性や満足度、健康に与える変化を検証しています。

実施場所:株式会社イズミコンサルティング 高崎オフィス https://izmc.co.jp/
実施期間:2025年9月〜実施中
対象者:20代〜50代の男女従業員 61名(うち事務処理量の測定対象は1階勤務の14名)
実験設計:同一の従業員を対象に、照明交換前(基準条件)と交換後(テスト条件)を比較
導入照明:従来の色温度5000K・単調光のライン照明を、サーカディアン制御(調光調色)・高演色に対応した照明器具に交換
測定項目

  • 生産性(従業員ごとの作業時間あたりの事務処理量)

  • 環境満足度・体調(毎月末週に朝・夕アンケート)

  • 病欠日数 など

体内時計に合わせて変わる光

本実験で導入された照明は、太陽光の一日の移り変わりをオフィス内で再現するよう、時間帯に応じて光の色みと明るさを自動で調整します。午前は青白く明るい光とし、午後から夕方にかけては、徐々に暖かみのある光へ変えながら、明るさもやわらげていきます。これにより、自然光の一日のリズムと、一定になりがちな室内照明とのギャップを小さくします。

メラトニン分泌量のカーブと自然光・室内照明のギャップの図

モダンでシンプルなデザインの長尺LED照明器具

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中間報告のポイント

1. 事務処理量の増加

1階で営業・提案活動を支える業務に従事する14名を対象に、照明切り替え前後の「作業時間あたりの処理量」を比較した結果、測定対象14名中10名の事務処理量が増加しました。

測定対象者からは、以下のような感想が寄せられています。

  • 顧客データの入力や提案用の情報をまとめる作業で、以前より集中が途切れにくくなったと感じました。同じ量の仕事でも、短い時間で進められる日が増えた印象があります。(30代・男性)

  • 午前中は頭がすっきりして仕事に入りやすく、午後も以前ほど強い眠気を感じなくなりました。パソコン作業中に目を休める回数も減り、作業を続けやすくなったと感じます。(30代・男性)

  • 夕方になると照明の色や明るさがやわらかくなるため、仕事の終わりに向けて自然に気持ちを切り替えられるようになりました。夜も以前より眠りやすくなり、翌朝の目覚めや日中の集中にも良い変化を感じています。(30代・男性)

2. WELL「光」評価項目に照らした自主評価が上昇

実験対象オフィスはWELL認証を取得しており、「光(Light)」の項目における取得ポイントは4ポイントでした。照明切り替え後の環境を同項目に当てはめた自主評価では、11ポイント相当となりました。評価が高まった主な要因として、時間帯に応じて色温度を変化させるサーカディアン照明設計、高演色化など人工光の質の向上、利用者の制御性の向上などが挙げられます。

WELL認証(WELL Building Standard)とは
建物や室内環境を「働く人の健康・快適さ」の観点から評価する、2014年に米国で生まれた国際的な認証制度です。国際ウェルビルディング協会(IWBI)が運営しており、空気・水・光など10の分野で構成され、「光」の分野では照明が人の体内時計や快適さに与える影響が評価されます。

NEB(Non-Energy Benefits)の考え方

今回の実証実験は、省エネやCO₂排出量の削減といった直接的な効果だけでなく、環境設備への投資によって生まれる快適性、健康、生産性などの副次的な便益(NEB)を捉える考え方にも通じる取り組みです。

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遠藤照明担当者のコメント

株式会社遠藤照明 未来環境研究課の鈴木直行氏は、光が概日リズムやメラトニン分泌、睡眠・覚醒の調整に関与することに触れ、今回の事務処理量増加はこうした照明設計の考え方と整合する中間結果であると述べています。実験室で示されてきた照明が作業性や眠気に与える影響が、実際のオフィスでも現れる可能性が示唆されたとしています。

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今後の展望

本実験では、光の変え方が異なる別条件のフロアや、満足度・体調などの項目についても検証が進められています。これらを含む全体の結果、確定した数値データ、休暇取得日数の推移などは、2026年10月以降に最終報告として発表される予定です。

遠藤照明は、本実験を通じて「働く環境への投資が生む効果」をデータとして示し、今後の建築設計やオフィスビル開発において、導入しやすく価値の高いオフィスづくりの提案に活かしていく方針です。

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参考情報

照明と体内時計・目覚めに関する研究

光には、物を見るための働きだけでなく、体内時計、睡眠・覚醒、気分、注意・認知などに影響する「非視覚的作用」があります。こうした作用を評価する国際的な指標として、メラノピック等価昼光照度(melanopic EDI)が整備されています。日中は十分な光を浴び、夕方から夜間は光を抑えることが、生理機能、睡眠、覚醒を支えるうえで推奨されています。

用語解説

色温度(K:ケルビン)の目安
光の色味を表す単位です。数値が高いほど青白い光、低いほど暖かいオレンジ色の光になります。詳細については以下のリンクをご参照ください。
https://www.endo-lighting.co.jp/hikariiku/knowledge/15198/

照度(lx:ルクス)の目安
照らされた面の明るさを表す単位です。住宅のリビングはおおむね100〜300lx、一般的なオフィスの執務室は500〜750lx程度が目安とされます。本実験の400〜600lxは、標準的なオフィスの明るさの範囲にあたります。詳細については以下のリンクをご参照ください。
https://www.endo-lighting.co.jp/hikariiku/knowledge/14379/

関連リンク

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