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従業員サーベイ実施率は76.7%も約半数が「変化を感じない」と回答、形骸化の課題が明らかに

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従業員サーベイの普及と実態

従業員サーベイの実施率は76.7%に達し、多くの企業で導入が進んでいます。特に、過去5年以内にサーベイを開始した企業が52.8%を占めており、近年の急速な普及がうかがえます。

サーベイ実施率と開始時期を示すグラフ

サーベイ実施の最大の目的は「従業員のエンゲージメント向上」(64.8%)でした。次いで「組織風土・組織内コミュニケーションの改善」が挙げられています。企業はエンゲージメント・サーベイや従業員満足度調査など、平均で3.25種類のサーベイを年間で実施しており、4種類以上実施している企業も27.0%にのぼります。特に3万人規模以上の企業では平均4.2種類を超えるサーベイを実施していることが分かりました。

サーベイの目的を示す棒グラフ

実施しているサーベイの種類に関するグラフ

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サーベイの機能不全・形骸化

従業員から見たサーベイ全体の課題としては、「これまで回答しても変化を感じない」(45.9%)、「形式的な取り組みに感じる」(44.5%)が上位を占めています。これは、サーベイが実質的な意味をなしていないと感じられていることを示しています。

従業員が感じるサーベイ全体の課題を示す棒グラフ

また、サーベイの実施目的について、人事と従業員の間で大きな認識ギャップがあることも明らかになりました。従業員側はサーベイの目的を十分に理解しておらず、人事側が狙う多様な目的に対して、従業員は「コンプライアンス」といった守りの目的として捉えている傾向が見られます。

サーベイの目的に関する人事部と従業員の認識差分を示すグラフ

サーベイ結果の活用は「経営会議での報告」(69.8%)が最多でした。一方で、現場での対話や人的資本開示への活用は約半数にとどまっており、活用が報告・共有に偏る傾向が見られます。

サーベイ結果の活用シーンを示す棒グラフ

さらに、パフォーマンスや継続就業意向が低い層ほどサーベイに回答していない傾向が見られました。無回答経験者は、そうでない層と比較して、職場での暴言や叱責、意思疎通の困難といった職場環境の悪さを特徴としています。しかし、多くの企業では無回答者を数値として把握するのみで、積極的な分析や運用に反映する取り組みは限定的です。

無回答経験者の割合と無回答層の特徴を示すグラフ

人事部における無回答の扱いと解釈を示すグラフ

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機能不全が起きる背景と乗り越えるポイント

サーベイの有用感を下げる要因としては、「会社が本気で取り組んでいると感じない」「どうせ変わらないという諦めがある」「質問内容が自社の実情に合っていない」などが挙げられます。

サーベイの有用感を下げる要因を示す回帰分析結果

有用感を高める鍵は、「経営本気度認知(経営が本気で動いている)」「結果の取り扱いの公平性(公正・平等に結果が扱われている)」「本音回答意欲(安心して本音で答えられる)」の影響が特に大きいことが示されました。会社側と従業員側双方の本気度が重要であるといえます。

サーベイ有用感に影響を与える要素を示す回帰分析結果

サーベイの質を向上させるためには、「可視化の質」「対話の質」「実装の質」「関与の質」の4つの領域を全体的に捉え、メンテナンスすることが求められます。

サーベイの質を構成する4つの領域と8つの要素

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調査結果からの提言

日本企業の従業員サーベイは急速に普及しましたが、すでに多くの企業で機能不全の段階に入っていることが示唆されました。その背景には、エンゲージメント概念の恣意的な定義、分析・解釈を担う専門人材の不在、サーベイ結果が施策や意思決定に十分に結びついていないといった典型的な問題があります。

最大の課題は、これらの問題が解決されないまま、実効性を欠いた運用が繰り返されていることです。サーベイ実施の是非自体が戦略的に検討されず、人事の定期ルーティン作業となっている実情が、従業員に形骸化として伝わり、さらなる形骸化を生んでいると考えられます。

「測ること」そのものが目的化したサーベイでは、従業員はついてこないでしょう。普及期を終えた日本の従業員サーベイが、より良い就業環境を創るきっかけとなることを期待します。

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調査概要

パーソル総合研究所「従業員サーベイに関する定量調査」の概要

  • 調査名称: パーソル総合研究所「従業員サーベイに関する定量調査」

  • 調査内容: 企業が実施する従業員サーベイの実情と課題を明らかにすること、より良い従業員サーベイのための実践的な示唆を探ること

  • 調査対象:

    • 【共通条件】全国20-64歳、300人規模以上の企業

    • 【従業員調査】: 1年以内に従業員サーベイが実施された会社の正社員 計2500人

    • 【人事調査】: SC調査:経営層・経営企画・役員/総務・人事の係長以上の職位者 1084人、本調査:上記条件に加え、1年以内に従業員サーベイが実施された企業の者 500人

  • 調査方法: 調査会社モニターを用いたインターネット定量調査

  • 調査時期: 2026年3月6日~3月11日

  • 実施主体: 株式会社パーソル総合研究所

調査結果の詳細については、下記URLをご覧ください。

※構成比の数値は、小数点以下第2位を四捨五入しているため、個々の集計値の合計は必ずしも100%とならない場合があります。

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